鈴木 学の不動産投資コラム

シリーズ連載: 海外物件の管理

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

第三回「海外物件選びの失敗例(2)~修繕費の嵩む中古物件を買ってしまった」

海外の不動産に投資する最も根本的なリスクは、「遠いこと」。つまり「物件が自分の手の届かない場所にある」ことです。関東在住のオーナーが北海道の物件を持つ遠隔投資でもそうですが、海外はさらに遠いので、基本中の基本として、「管理や修繕で悩まない仕組みを、現地パートナーとの間で構築しておく必要」があります。

投資利益を確保する上で大事なのが、海外不動産の保有を想定する期間中に、

・建物のトラブルがほぼ起こらないこと
・入居者がトラブルをほぼ起こさないこと

欧米圏各国では、建物のトラブルを予見するために、購入前の「インスペクション」があり、また購入後の修繕負担を軽減するために各種の「保険」もあるわけですが、それでも建物が古くて躯体や配管類に構造的問題があると想定以上に対応費用が嵩み、投資収益を食いつぶしてしまうリスクがあります。

また、入居者属性が悪いエリアで物件を持ってしまうと、彼ら自身が建物や設備を破壊するリスクが高まります。特に北米では、日本のレベルでは考えられない「超やんちゃな入居者」が一定数存在します。銃社会でもあるのでエリア選びには気をつけたいものです。

実際、海外で物件買った日本人オーナーがよく失敗しているポイントは、

・減価償却&節税目当てで海外(特にアメリカ)の物件を買う。
・節税対象物件は、築22年以上経過している木造に限られるが、その物件が躯体や配管に問題を抱えていると、想定外の修繕費がかかってしまう。
・また、その物件が治安の悪いエリアにあると、入居者がトラブルを引き起こし、想像以上に対応費用がかかってしまう。

私の投資仲間が、米国の某都市で買った物件では、治安の悪さゆえ、信じられないトラブルが続出したようです。

・出火して全焼していた(おそらく入居者の放火)。
・キッチン設備だけでなく、その下の排水管まで全部盗まれていた。

とはいえ米国でも(同じ都市内でも)、治安の良いエリアで買えば上記の問題はほぼ起こらなかったりするので、物件所在地の治安や学区の見極めは大事です。下記のサイトを使えば、日本に居ながらかなりのことが調べられます。

https://www.trulia.com/

また、お客様が安心できる物件を注意深くチョイスしている業者さんから買うことも大事ですね。例えばテキサス州に展開している日系の業者で、下記の物件仕入れ基準を厳密に守っている会社があります。資産保全目的や、安心感の高い投資をしたい方には、こういう会社が向くと思います。

(1)築年数の比較的新しい一戸建てを中心に取得
(2)インスペクションの徹底
(3)スクールスコアにこだわる
(4)出口戦略の策定
(5)商品性の査定
(6)賃貸収益性
(7)不具合リスクの判定
(8)市場の将来性(エリア戦略)
(9)保険の加入

【このコラムの著者】

鈴木 学

アジア太平洋大家の会 会長
1968年千葉県生まれ。一橋大学社会学部卒業。
卒業後、ITエンジニア・マネジャーとして、日本、豪州、中国、米国、インドの5ヶ国で勤務経験あり。海外在住経験は8年間。 2002年、豪州シドニーで不動産を買い賃貸に出し、日本から遠隔管理して自信をつけたことを皮切りに、現在では、日本、オーストラリア、米国、タイ、英国、ドイツに、計21室を所有・経営するグローバル大家。

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