鈴木 学の不動産投資コラム

シリーズ連載: 海外物件の管理

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

第四回「海外物件選びの失敗例(3)管理会社が一つしかないエリアで買ってしまった」

海外不動産投資で最も根本的なリスクは、「物件が自分の居場所から遠いところにある 」ことだと思います。物件に何か問題が起こった時、自分で現地に駆けつけることがほぼ無理である以上、その対応を行う「現地管理会社」(or「現地パートナー」)が、賃貸経営の成否の大部分を左右します。

ですので、私たち物件オーナーと現地管理会社との関係が良好で信頼関係があることが大事なのですが、そうは言っても人間同士、相性の良し悪しもあれば、お国柄や仕事スタイルの違いもあり、常に良い関係で居られるとは限りません。場合によっては、「管理会社を乗り換える」という決断をせざるを得ないこともあります。私自身、日本に居ながらアメリカとオーストラリアの所有物件の管理会社を換えた経験がありますし、友人所有のマレーシア物件の管理会社交代を手伝ったこともあります。

そのためには、「物件所在都市において、複数の管理会社が競争している」ことが前提になります。

逆に、「管理会社の選択肢が一つしかない」場所や案件を買ってしまうと、その会社に全面依存しなければならず、賃貸経営自体を大きなリスクにさらすことになります。具体的なケースとしては、

・海外の地方小都市や農村にある物件を買う
・海外の大都市でも治安に問題があり、管理会社が参入しにくい場所の物件を買う
・海外で特殊な運営を必要とする物件を買う(ケアホーム、民泊等)
・新興国の首都郊外や地方都市など、管理会社がまだ十分育ってない場所の物件を買う。

一般的な傾向として、「先進国大都市で、値の張る住居物件を買う」際には、この種の管理の問題は起こりにくいです。概して家賃水準が高い、入居者の属性も良くて問題が起こりにくい、管理やりたい会社が多数いる…という状況がありますので。「東京都心のまともな物件なら管理会社に苦労しない 」 のと同じです。

一方、「先進国の中小都市で1000万円程度の安い物件」や「学生寮、ケアホーム、民泊などの特殊用途物件」、「新興国の物件」を買う場合は、現地管理サービスの状況を厳しめにチェックしなくてはなりません。

・今の会社と仲違いした場合、他にどんな管理会社にお願いできるか?
・その場合、管理サービスの内容や費用がどのように変わるのか?

余談になりますが、先進国のなかで「アメリカ」は物件管理が比較的難しく、日本人オーナーとの間で問題が起きやすい国という印象があります。いろんな要因がありますが、

・首脳陣と現地ワーカーとの業務・知識レベルの差が大きい。
・仕事のやり方が概して大雑把で、こまめな連絡を求める日本人から見ると不満が溜まる。
・日本人オーナーも快速償却目当てで築古の木造物件を買うケースが多いので、故障や修繕が発生する頻度が高い。

もちろん例外もありますが…私の知る限り、日本人にアメリカ物件売ってる業者で、管理に苦労してない会社は多分ないと思います。

【このコラムの著者】

鈴木 学

アジア太平洋大家の会 会長
1968年千葉県生まれ。一橋大学社会学部卒業。
卒業後、ITエンジニア・マネジャーとして、日本、豪州、中国、米国、インドの5ヶ国で勤務経験あり。海外在住経験は8年間。 2002年、豪州シドニーで不動産を買い賃貸に出し、日本から遠隔管理して自信をつけたことを皮切りに、現在では、日本、オーストラリア、米国、タイ、英国、ドイツに、計21室を所有・経営するグローバル大家。

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