鈴木 学の不動産投資コラム

シリーズ連載: 海外物件の管理

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

第五回「業者のいう想定賃料を鵜呑みにしてはいけない理由」

不動産投資を検討する上で、「想定賃料の見積もり」は大きな間違いが許されない最重要ポイント。

「この場所で、この間取りならいくらで貸せそう」という情報に基づいて投資判断するわけですが、その情報源を「販売業者」だけに頼るのは、やはりリスクが大きいでしょう。最近、国内でも「かぼちゃの馬車」破綻の事例がありましたが、業者が言う数字を鵜呑みにするのではなく、直接の利害のない投資仲間や地元管理会社にヒアリングするなど、裏取りの作業は必要ですね。

では、海外不動産はどうかと言うと、日本以上に、業者の言う数字を鵜呑みにしてはいけません。主に2つの理由があります。

・日本人に比べてオーバートークしたがる国民が世界には多い。アメリカ人が典型例。
・経済発展中の新興国では、「根拠のない自信」が蔓延しており、それに基づいて過大な数字を言ってしまう人が多い。

いずれも、業者側に悪気はないし、自信満々な口調で言うのでついつい信じてしまいがちですが、その数字に基づいて投資判断すると痛い目に遭いますし、かといって裏取りも言葉の壁がある…そこに海外投資の難しさがありますね。

私は、次の2つの方法で、過大な賃料見積もりリスクを減らそうとしています。

1)webで調査する。欧米先進国の住居物件なら、日本以上にエリア毎の賃料や空室率などのマーケットデータが整備されてポータルサイトに公開されることが多いので、それを使って、いくら位で貸せそうか仮説を立ててみる。

2)業者ヒアリングのやり方を工夫する。単純にいくらで貸せるかを聞くのではなく、「もし募集賃料で入居がつかない場合、いくら下げればどの位の期間で解決するのか?」みたいに具体的に聞く。もし相手が即答できないようなら要は「分かってない」。

あと言うと、販売会社よりも地域で長年やってる管理会社の方が賃料の数値に信憑性があるケースが多い。これは日本でも海外でも一緒ですね。

最後に、海外不動産の場合「日本人だから」といって信じてしまうケースが多いですがそれも問題大きいですね。確かに日本語で情報得られるので便利ですが、海外に居る日本人のなかには「同胞を食い物にする」ビジネスモデルで糊口をしのいでいる者が一定数いるのでご注意あれ。あと、騙す気はなくても、単純に不動産のことよく分かってなくて、的外れなアドバイスをしてしまう日本人業者も、(数年前と比べて多少マシになったとはいえ)少なくないことを知っておきましょう。

最近では海外不動産に精通した上で、第三者的視点でセカンドオピニオンを出してくれる団体がいくつか出てきたので、それを活用するのも良いですね。

海外不動産協会(OREA)
https://oreajapan.or.jp/

アジア太平洋大家の会(APHOC)
http://asia-pacific.tv/

【このコラムの著者】

鈴木 学

アジア太平洋大家の会 会長
1968年千葉県生まれ。一橋大学社会学部卒業。
卒業後、ITエンジニア・マネジャーとして、日本、豪州、中国、米国、インドの5ヶ国で勤務経験あり。海外在住経験は8年間。 2002年、豪州シドニーで不動産を買い賃貸に出し、日本から遠隔管理して自信をつけたことを皮切りに、現在では、日本、オーストラリア、米国、タイ、英国、ドイツに、計21室を所有・経営するグローバル大家。

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