鈴木 学の不動産投資コラム

シリーズ連載: 海外物件の管理

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

第七回「海外管理会社に日本並みのサービスを求めない」

海外に物件を買って、賃貸に出せば、まず間違いなく、現地管理会社のお世話になります。彼らは入居者募集、賃貸契約まわりの作業、修繕手配、入居者の要望・クレーム対応、家賃収納とオーナーへの入金、トラブルの解決といった、賃貸経営に欠かせない仕事をやってくれる、「海の向こうの賃貸経営」に欠かせないパートナーです。

とはいえ、この「海外管理会社と日本人オーナーのコミュニケーション」ほど、行き違いや誤解が起こりやすく、不平不満が溜まりやすい分野は珍しいのではないかと思います。表面的な言語の違い以上に、文化習慣の違いが表面化しやすい領域なのです。

海の向こうでは当然ながら、社員の働き方、チーム内の分業、仕事とプライベートの関係、顧客サービスの感覚に日本と大きな違いがあります。例えば、日本人オーナーが海外管理会社に対して抱く不満でありがちなのは、

1)メールで質問しても、レスがない。
2)修繕とか退去などの事実を、タイムリーに報告してくれない。
3)担当者が休暇を取ると、社内の誰もバックアップしないので、物事が何も進まない。

1) について…私もいろんな国で散々経験しました。
メールのやり取り、マメじゃない人は確かに多いです。2~3回、強い口調でメール書いてようやく、担当者が自分の仕事だと認識してくれることが多いですね。

2)について…日本的な「報連相」や、顧客へのマメな連絡という仕事感覚がない国だと、コトが起こって随分経ってから事後報告、みたいなケースが多いです。月1くらいで定期的にコミュニケーション取っていれば、そのリスクは少なくなります。

3)について…海外では担当者毎の作業分担がハッキリしていることが多く、他の担当者のやってることは我関せずという人が多いし、お客の要望より自分の休暇を優先する人も多い。欧州や豪州など、長期休暇が取りやすい地域だと、バカンス期間中は約1か月何も動かないことを覚悟すべきこともあります。

経験上、日本語でやり取りできる海外管理会社だと、上記の問題がさらに大きくなりがちですね。相手と日本語でやり取りできると、日本人オーナーもついつい、「日本の常識」を求めてしまいがちですが、相手は海外の常識で働いているので当然、行き違いが多くなる。

要するに、『海外管理会社に日本並み、日本流のサービスを求めてはいけない、』
ということです。むしろ相手に興味を持って、日本との違いを楽しむとか、或いは日本人的に細かいことにこだわらず、必要最低限の要点(権利関係、入出金、入退去等)にフォーカスする、そんなオーナーほどトラブルも少なくうまくいきやすいですね。

海外管理会社に感じる違和感や不満を出発点として、そこから何を学び、グローバル大家としていかにスキルアップしていくか?それが、海外不動産投資の奥深さなんだと思います。

【このコラムの著者】

鈴木 学

アジア太平洋大家の会 会長
1968年千葉県生まれ。一橋大学社会学部卒業。
卒業後、ITエンジニア・マネジャーとして、日本、豪州、中国、米国、インドの5ヶ国で勤務経験あり。海外在住経験は8年間。 2002年、豪州シドニーで不動産を買い賃貸に出し、日本から遠隔管理して自信をつけたことを皮切りに、現在では、日本、オーストラリア、米国、タイ、英国、ドイツに、計21室を所有・経営するグローバル大家。

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