鈴木 学の不動産投資コラム

シリーズ連載: 海外物件の管理

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

第八回「海外の賃料保証物件に要注意」

ここ数年、海外不動産セミナーで紹介される物件のなかで、「賃料保証付き」が増えた印象があります。例えば、

・イギリスの学生寮、8%3年間保証
・タイのホテルコンドミニアム、7%5年間保証
・アメリカのサブリース戸建、3.5%保証

確かに、勝手知らぬ、海の向こうにある物件のこと、「ちゃんと家賃が入るのか?」と不安に思う購入者は多いわけで、そこに「家賃保障」がついてくれば、確かに大きな安心材料になります。大手企業や上場企業が保証してれば尚更ですよね。

ですが、「一見安心に見える」ことが、オーナーの投資利益を最大化するのかというと、それは全く別の問題です。買う側が特に注意すべきことは、

「家賃保証をネタにして、本来の価格より割高に売っていないか?」(=悪い家賃保証)

ということ。

これは「かぼちゃの馬車」でイメージできますよね。本来、土地建物込みで1億円くらいの価値しかないものを、シェアハウス運営で8%出る、スルガ銀行でフルローン出ると謳い、2億円くらいで売っていた。

それ買って、家賃が止まったら最後、大パニック。家賃収入で月々の返済ができない、売り抜けようにも相場より大幅な割高で買っちゃってるから無理、残債多すぎて損切りもできない。自殺者も出て社会問題になった…これは記憶に新しいですね。

海外不動産でも「かぼちゃの馬車」みたいな話は、残念ながら存在します。よくあるパターンが、

「土地代と建物代あわせてもせいぜい700万円くらいの価値がないのに1400万円くらいで、現地の状況に疎い日本人に売っている」

悪質な業者の場合、客に割高価格で売り、それでつくったお金を家賃保証の原資に回している可能性があります。たとえば「6%、5年間家賃保証」なら、売値を30%高く設定すれば、そこから捻出できてしまうわけです。そんなものを買ったら最後、見かけの家賃は入るかもしれないが、売却する時に損切りという、面白くない結果になるのは必至。

特に、海外のデベロッパーから物件買って、そのデベロッパーが保証家賃を返すみたいな話だったら「クロ」の可能性絶大ですね。

ですが一方で、「良い家賃保証」をしている真面目な業者も海外には相当数居ます。彼らは、物件を市場価格で売り、市場価格で賃貸に出し、そこから自らの管理費諸経費を差し引いて、残りをオーナーに返すという「真っ当なサブリース」をしています。空室リスクも自らとってくれます。

特に、管理物件を多数持って、そこから上がる管理費を収益源としている会社であれば、上述「良い家賃保証」をしている可能性は高いといえます。

海外の物件が、適正価格で販売されているのか、彼らが謳う賃料保証が「悪い」タイプなのか「良い」タイプなのか、それを見極めるのは国内より相当難しいとは思います。その見極めが必要なら、私にいつでも相談いただければと思います。

【このコラムの著者】

鈴木 学

アジア太平洋大家の会 会長
1968年千葉県生まれ。一橋大学社会学部卒業。
卒業後、ITエンジニア・マネジャーとして、日本、豪州、中国、米国、インドの5ヶ国で勤務経験あり。海外在住経験は8年間。 2002年、豪州シドニーで不動産を買い賃貸に出し、日本から遠隔管理して自信をつけたことを皮切りに、現在では、日本、オーストラリア、米国、タイ、英国、ドイツに、計21室を所有・経営するグローバル大家。

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