鈴木 学の不動産投資コラム

シリーズ連載: 海外物件の管理

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

第十回「海外管理会社とのトラブル、傾向と対処法」

不動産を賃貸する場合、自分が物件の近所に住んでいれば自主管理できますが、遠隔地だとそれが無理なので、現地の管理会社にお願いすることになります。究極の遠隔地である海外不動産の場合も、当然にそうなります。

海外物件が所在する都市に日系の管理会社があればともかく、そうでない場合は、現地国の会社やスタッフと、主にメールで英語または現地語でやり取りすることになります。

私は、6か国で不動産管理会社を使った経験がありますが、その経験から言えることは、

・一般論すると、日本人ほど、客のことを考えて真摯かつ自発的に仕事してくれる国民は、海外にはたぶん居ない。

・海外の管理会社に、日本人ならこの位やってくれるだろう的な暗黙の期待をしてはいけない。実態としては、「こちらから明確に要求して、かつ何度もメールで催促して、相手に自分の仕事だと自覚させる」その繰り返し。

・お国柄にもよるが、海外には日本人よりオーバートークする傾向の国民が多いので、彼らの言うことを鵜呑みにせず、何割か割り引いて聞くスキルも大事。

・海外は日本に比べて業務をチーム内で分担したり情報共有する発想が希薄で、担当者が休むと業務が止まることが珍しくない。

どの国の管理会社が優れているのかと聞かれても回答が難しいですが、私の見聞の範囲で言うと「アメリカ」は日本人がたくさん物件買ってる割には、現地管理会社と日本人オーナーの相性が良いとは言えない。私がつねづね感じることは、

– アメリカ人は優秀な人とそうでない人のレベル差が日本の比ではない。

– アメリカ人のワーカーは概して仕事が荒っぽく初歩的なミスも多い。

– アメリカ人はオーバートークする人が多く、彼らの言うことがアテにならないと感じる日本人オーナーも多い。

– アメリカは法律が厳しく、職業によってできることできないことが明確に定められているため、「これはできません」とハッキリ断られることが多く、現地の事情に疎い日本人オーナーには不親切という印象を与えたりする。

経験上、ドイツやオーストラリアの管理会社はアメリカと比べれば日本人オーナーとの相性がややマシな印象ですが、その代わり彼らは「長期の休暇を平気で取る」人々。日本人からみて「仕事が微妙に終わってなくても休みは絶対に取る」し、その間は1ヶ月ほど業務が滞りがちになることを覚悟しなければなりません。

なお、欧米圏で働いていても中国、韓国等東アジア出身者は仕事や休みの感覚が日本人に近いケースが多いので、「欧米の管理会社でアジア人社員が居れば日本人オーナー担当にしてもらう」アレンジをお願いすることもあります。

海外管理会社と日本人オーナーのトラブルの多くはコミュニケーションの行き違いや、それにより現地国でオーナーがやるべき義務を怠ったりすることに発します。日本とは違う現地の常識や法律、働き方に興味を持ち、「なぜ相手はこう言ってるのだろう?」を考える習慣をつけることで異文化対応力が増し、トラブルのリスクも減ります。

加えて私は「管理会社からの連絡にすぐ返事する」ことで相手とのやり取りの密度を高めることを心がけており、これもトラブル防止に役立つと感じています。

【このコラムの著者】

鈴木 学

アジア太平洋大家の会 会長
1968年千葉県生まれ。一橋大学社会学部卒業。
卒業後、ITエンジニア・マネジャーとして、日本、豪州、中国、米国、インドの5ヶ国で勤務経験あり。海外在住経験は8年間。 2002年、豪州シドニーで不動産を買い賃貸に出し、日本から遠隔管理して自信をつけたことを皮切りに、現在では、日本、オーストラリア、米国、タイ、英国、ドイツに、計21室を所有・経営するグローバル大家。

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