鈴木 学の不動産投資コラム

シリーズ連載: ヨーロッパの不動産事情

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

Brexitに揺れる英国不動産のいま

私は仕事柄、世界各国の不動産投資機会を日本に紹介していますが、英国に関しては「Brexit(EU離脱)大丈夫なの?」「先行き不安だから様子見したい」と言う方が多いのが事実。

確かに同国の政治は迷走を続けています。国際ニュースをみると、「Brexitを懸念して日系企業が撤退した」とか、「ロンドンで反Brexitの10万人規模のデモが起きた」みたいなものが多く、不安になるのも理解できます。

ただ、不動産は本質的にミクロな極地経済と共にあるもの。現場を多く見てきた私の目からすれば、彼らの懸念の多くが杞憂だと感じます。

英国のなかで、Brexitの影響を大きく受けそうなのは「外需」依存が大きいマーケット、例えば

・ロンドン都心部の高額帯物件(2億円以上)
・外国企業(ホンダ等)が撤退する地方都市の物件

ロンドン一等地やテムズ川沿いの高価なレジデンスを短期間に多数売らなくてはならない会社は、確かに苦労しているようで、値引きも頻繁です。アラブ圏やロシア、中国の富裕層など、外需をあてにしていたマーケットなので、Brexit懸念の影響は小さくありません。

一方で、戸数を少なく絞り、趣向を凝らしたデザインで勝負するBespoke(オーダーメイド的)なデベロッパーは富裕層の支持を受けて業績好調なようです。同じロンドン都心マーケットでみも業態によって二極化が進んでいるということです。

なお、ロンドンを離れた地方中核都市に行くと、「Brexit懸念、何それ?」と言わんばかりの活況を呈している場所も少なくありません。英国は当然ながら一枚岩ではありません。

英国不動産においてまず知るべきは、「ロンドン圏の住宅価格が他地域と比べて圧倒的に高いこと」です。経済的観点でのロンドン一極集中ぶりは、日本における東京をさらに上回る印象です。

ロンドン市の平均不動産価格が79万5208ポンドに対し、同国第二の都市バーミンガムやマンチェスターでそれぞれ18万7685ポンド、18万0347ポンドと、ロンドンの約4分の1に過ぎません、東京と大阪・名古屋とで、そこまでの価格差はないでしょう。

でも日本と違うのは、英国ではロンドンも地方都市も人口が増えていることと、概して住宅不足傾向であることです。ロンドンは2011~16年に不動産価格上がりすぎて今は停滞気味ですが、まだ価格の安い地方都市(平均価格帯15~30万ポンド→2100〜4200万円)は英国最速の年率2.6~3.8%で価格が伸びています。今の英国は「地方マーケットが元気」です

Brexitの帰趨はまだ不透明ですが、英国不動産マーケットの大部分は、Brexitの如何を問わず、足元の需要に支えられて堅調に推移すると思います。特にマンチェスターやバーミンガムなど、産業集積して便利な地方都市は今後も躍進が続くでしょうし、そういう都市の好立地で数千万円程度の物件を買うリスクは低いと思います。

【1000万円台で買える英国地方都市物件、入居状況良く、価値も上昇中】

【ロンドン都心の高額物件は眺望と稀少性で勝負】

【このコラムの著者】

鈴木 学

アジア太平洋大家の会 会長
1968年千葉県生まれ。一橋大学社会学部卒業。
卒業後、ITエンジニア・マネジャーとして、日本、豪州、中国、米国、インドの5ヶ国で勤務経験あり。海外在住経験は8年間。 2002年、豪州シドニーで不動産を買い賃貸に出し、日本から遠隔管理して自信をつけたことを皮切りに、現在では、日本、オーストラリア、米国、タイ、英国、ドイツに、計21室を所有・経営するグローバル大家。

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