鈴木 学の不動産投資コラム

シリーズ連載: ヨーロッパの不動産事情

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

リラ暴落と、カオスなトルコ不動産事情

トルコは、ヨーロッパとアジアにまたがる国。カッパドキア、トロイ遺跡、エーゲ海や地中海リゾートを擁する、世界に名だたる観光大国。イスタンブールは人口1500万を超える巨大都市かつ、それ自体が大観光地でもあります。地理的にはヨーロッパ、中東、アフリカをつなぐ要衝の位置にあり、ロンドン・パリ、モスクワ、カイロ、ドバイにも、約3~4時間のフライトで到達できます。

トルコは一人あたりGDPが1万ドル程度の新興国。人口8000万人を超え、平均年齢も若く、国の伸びしろも大きいですが、国の運営上、いろいろ悩みもあります。シリアに隣接することによる難民問題、クルド人独立問題、米国・欧州との不安定な関係…それらが表面化するごとに、同国の通貨「トルコリラ」は暴落を続けてきました。

トルコリラ


「トルコリラ」の値動きは、日本人のトルコ不動産購入にも大きな意味を持ちます。リラは有名な高金利通貨、スワップポイント狙いでFX投資家に人気が高いのですが、2015年以降はリラ受難の時代でした。一番記憶に鮮明に残るのが、

「2018年8月 米国との外交問題を契機とするトルコショック」

トルコリラは対米ドルで3日間で26%下落し、日本のFX投資家もロスカットの憂き目に遭った方も多かったでしょう。でも面白いことに、リラが暴落すると、「トルコ不動産買いたいリクエスト」が増えるのです。安い為替のうちに不動産を買いたい日本人が一定数いて、私に相談が来るのです。

ちょうど、リラが暴落して間もない頃、イスタンブールで不動産視察をする機会に恵まれました。ただ結論からいえば、為替で不動産バーゲンセールはなかなか難しいそうです。イスタンブールのボスポラス海峡沿いの高級住宅地と、西部近郊・新空港近くの中流層向け新興住宅地の両方をみたのですが、

1)高級住宅地は不動産自体がユーロまたはドルで取引されることが多い。
2)中流層向け住宅地は、売買価格も賃料もトルコリラ表示だが、対ユーロ、対ドルの為替にあわせて価格をスライドするのが通例

2)の例を挙げると、たとえば、同じ物件(イスタンブール近郊1部屋のアパートメント)で

2012年時点 1リラ=52円 物件価格125,000リラ ⇒ 円換算650万円
2018年時点 1リラ=18円 物件価格450,000リラ ⇒ 円換算810万円

トルコでは家主の権利・立場が非常に強く、賃料値上げが簡単にでき、為替の下落を予測した計画的な値上げも普通に行われます。また住宅デベロッパーも為替下落を見越した値付けに慣れており、それほど安売りはしません。
貧富格差が大きい国ゆえ、不動産価格はピンキリ。海峡沿い豪邸は軒並み数億円~数十億円の世界、中流層向け新興住宅地だと庭付き戸建が2000万円くらい。庶民層は400~500万円のアパートに住んでる人が多いとのこと。賃貸利回りは、おおむね4~5%といった感じでした。

中流層向け新興住宅地

緑の山々を借景に

ボスポラス海峡超豪邸

海峡越しに都心部を望む

イスタンブール‗ボスポラス海峡遠景

【このコラムの著者】

鈴木 学

アジア太平洋大家の会 会長
1968年千葉県生まれ。一橋大学社会学部卒業。
卒業後、ITエンジニア・マネジャーとして、日本、豪州、中国、米国、インドの5ヶ国で勤務経験あり。海外在住経験は8年間。 2002年、豪州シドニーで不動産を買い賃貸に出し、日本から遠隔管理して自信をつけたことを皮切りに、現在では、日本、オーストラリア、米国、タイ、英国、ドイツに、計21室を所有・経営するグローバル大家。

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