鈴木 学の不動産投資コラム

シリーズ連載: Withコロナの新・不動産事情

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

個人投資家からみた、コロナ時代の不動産市況と投資戦略

今年に入り、 「新型コロナウィルスのパンデミック」で、 世界は大きく変わりました。 人類の大部分が自由に外出できない状況が続き、飲食店や旅行業、航空業、百貨店など、人が動く前提のビジネスは壊滅的な打撃を受けました。主要国の経済は軒並み2桁のマイナス成長で大恐慌並み、私たちのライフスタイルやワークスタイルも大きく様変わりしました。この激動期に、世界中の不動産マーケットを同時並行で見ている個人投資家として、いまの不動産市況をどう考え、どのような投資戦略を考えているのか、対談形式で書いてみました。

質問「鈴木さんは、いまコロナ局面での不動産市況について、たとえば10数年前のリーマンショックと比べて、どのように評価されますか?」

回答「 リーマンショックと新型コロナのパンデミックとは、正直、比べられません。一見、似たような世界的危機に見えますが、不動産の側面でみると、完全に似て非なるものです。リーマンショックは、金融システムの危機でしたので、これまで銀行融資に支えられていた不動産の価値が一気に毀損し、一時的には東京やニューヨークの都心のような鉄板な場所でさえ不動産価格が大きく下落しました。ところが新型コロナでは、飲食・旅行業をはじめリアルビジネスに危機が集中する反面、金融システムは生きています。住宅融資も普通に出ますし、むしろ、世界中の政府が緊急経済対策として史上空前の規模でお金をばらまいている分、カネ余りになっています。だから不動産の価値は下がりにくいし、特に大都市の物件はむしろ投資マネーが流入して値上がる可能性も高いと思います。また、リアルビジネスが軒並み苦しむなかで、住居系不動産は相対的に底堅いと評価されてもいます。」

質問「なるほど~鈴木さんは、リーマンショック直後のような絶好の買い場は、コロナ局面では訪れないとお考えでしょうか?」

回答「一般論としてはそうです。ただ、新型コロナで大打撃を受けているホテルや民泊、オフィスや商業ビルなどは例外で、倒産・廃業した事業者から、安値で物件が出回る可能性が高いです。いまどき銀行が空室だらけのホテルやオフィスに融資出ませんので、売値がフリーフォールのように下がる可能性もある。パンデミックは世界同時並行ですから、この種の商業物件のバーゲンチャンスは世界中にある。実際私は、日本とアメリカで、安値で出た宿泊施設を買いに入る動きをしています。」

質問「よく分かりました~鈴木さんは、コロナの時期に、不動産の売買はされましたか?」

回答「最近、売却はしていませんが、小規模な物件購入はひとつ行いました。広島県尾道市で、旅館業ゲストハウスにできる素材として、築92年の古家を購入しました。決済は今年4月15日、日本中が緊急事態宣言真っ只中だった時期です」

質問「あの時期に購入というのは勇気ありますね。ところで、旅行業が壊滅的な時期に、鈴木さんはなぜ、そういう物件をお買いになられたのですか?」

回答「保有物件全体のバランスや、不動産購入のタイミング・価格を総合的に判断してのことです。確かに、いまは観光客が居ませんので旅館民泊の類は世界中どこでも大変です。私は日本国内とバリ島、ハワイでいくつか民泊オーナーやってますが、どこも稼働は悲惨な状況です。ただ、いずれも現金で買ってますので倒れませんし、安く売る必要もありません。一方で、物件を安く仕入れるとか、改修工事を安くやるという意味では、今は最高な時期です。私が尾道の古家を買ったのも、その判断があってのことです」

質問「分かりやすい解説ありがとうございました。最後に、不動産投資家の皆様にメッセージあれば是非…」

回答「そうですね。現時点ではコロナ問題の収束がいつになるのか見通せないですし、 またリーマンショックと違って、コロナ局面では住居用の物件価格がそれほど下がりそうもないので、いま買いに動くのは一般論として難しいとは思います。ただ、多くの人が様子見する分、物件購入するライバルは大幅に減っていますので、指値も通りやすいし、また不動産業者も概してヒマになっているので、信頼できる正直な業者と知り合えるなら彼らから知識や物件情報を得るチャンスでもあります。そのような、”コロナならではのチャンス”を活かして賢く投資していただきたいですね。」

【このコラムの著者】

鈴木 学

アジア太平洋大家の会 会長
1968年千葉県生まれ。一橋大学社会学部卒業。
卒業後、ITエンジニア・マネジャーとして、日本、豪州、中国、米国、インドの5ヶ国で勤務経験あり。海外在住経験は8年間。 2002年、豪州シドニーで不動産を買い賃貸に出し、日本から遠隔管理して自信をつけたことを皮切りに、現在では、日本、オーストラリア、米国、タイ、英国、ドイツに、計21室を所有・経営するグローバル大家。

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