鈴木 学の不動産投資コラム

シリーズ連載: Withコロナの新・不動産事情

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

コロナ影響下のアメリカで激安お値打ち物件がなかなか出ない理由!

新型コロナ感染症で、データの上では世界最悪の被害が出ている国・アメリカ。厳しいロックダウンや外出制限に伴い、経済・雇用面で大きな影響が出ており、誰もが知ってる有名大企業の倒産が相次いでいます。アパレルのブルックスブラザーズ、レンタカーのハーツ、百貨店のニーマンマーカスやJCペニーが会社更生法を申請、コロナ前には考えられなかった事態になっています。

アメリカは不動産マーケットとして世界最大の規模を誇る国。10年余り前のリーマンショックでは、各都市の不動産価格が大暴落。ラスベガスやマイアミ、デトロイト等では半値以下で買える事態になり、それに乗じて安値で物件仕入れた投資家が大きな利益を上げました。アメリカ不動産市場は、都市にもよりますが3~4年の低迷期を経て蘇り、再び長い成長の時代を迎えたのです。

その経験があるだけに、「コロナ局面に乗じてアメリカ激安物件ゲット」すべく、私は各方面に情報網を放ち、かつ米国で行われる不動産オンラインセミナーには深夜早朝にもめげず極力参加し、アンテナを高くしてきました。ただ結論からいうと、激安物件を買える局面になるには、まだ時間がかかりそうです。

まず、住居物件と商業物件では、全く状況が違います。コロナは危機の本質が感染症であるため、ホテル、飲食店、小売店、オフィスなど、特定の商業セクターが集中的に影響を受ける一方で、住居物件は底堅く、価格が下がりません。住む場所は誰にとっても必要だし、ホワイトカラーの世界ではテレワークの普及により広い家に対するニーズも高まっています。

コロナ局面で、米国各都市の不動産売買の件数は一時的に大幅に減りました。都市によっては感染防止のためオンラインでの内見しかできず、不動産エージェント(仲介業者)にとっては商売の辛い時期が続きました。

ただ、内容をよく見ると売り物が少なくなった割に買いの意欲は底堅い。かつ住宅ローン金利が米国の歴史上最安値水準(2%台後半)まで下がったことがマイホーム取得意欲を下支えし、需給バランスから「売り手市場」の状態になっている都市が多いから価格は下がりません。対前年比やコロナ前に比べて成約価格が上がっている都市も少なくありません。

もし住居物件が今後、値下がることがあるとすれば、仕事を失った賃借人が家賃を払えなくなり、滞納や強制退去が相次ぐ事態がきっかけになると思いますが、米国連邦政府は賃借人向けに家賃補助の小切手(1200ドル)をすぐ出すなどスピーディーに対応しているようで、都市によって状況違うとは思いますが、家賃滞納や支払い拒否の話は、私の投資仲間の間ではあまり聞こえてきません。

住居が底堅い一方で、商業物件は悲惨な状況のところが多く、どの街でも小売店や飲食店の倒産・廃業が相次いでいます。ただ、商業物件のバーゲンセール局面が来るまでにはまだ少し時間がかかりそうです。

いま私は休眠中のホテルが激安で出るのを待っているのですが、見聞した限りでいうと、現時点でも売り物は出ますがコロナ前の強気な値段を要求する売主が多い。それは、アメリカ政府はEIDL(Economic Injury Disaster Loan)やPPP(Paycheck Protection Program)など、事業者救済策を矢継ぎ早に実施しており、その恩恵にあずかって延命できている事業主が少なくないようです。実感値をいうと、安値の売りホテルがゴロゴロ、マーケットに出てくるのは来年前半かなという気がしています。

なおアメリカでは、いま首尾よく、安い値段でホテルを買えたとしても、改修費用が高くつく問題があります。報道でご存じの通り、全米の各都市で人種暴動が起こり、ガラスや外壁が破壊された商店・住宅が多く、特にガラス等は品薄で高値でしか手に入らないようです。

【このコラムの著者】

鈴木 学

アジア太平洋大家の会 会長
1968年千葉県生まれ。一橋大学社会学部卒業。
卒業後、ITエンジニア・マネジャーとして、日本、豪州、中国、米国、インドの5ヶ国で勤務経験あり。海外在住経験は8年間。 2002年、豪州シドニーで不動産を買い賃貸に出し、日本から遠隔管理して自信をつけたことを皮切りに、現在では、日本、オーストラリア、米国、タイ、英国、ドイツに、計21室を所有・経営するグローバル大家。

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