鈴木 学の不動産投資コラム

シリーズ連載: かしこい海外不動産投資

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

バンコクの中古物件価格を調べる

最近、マレーシア等、東南アジアのプレビルド(予約販売物件)を買った投資家からの悩み相談をよく受けます。彼ら曰く、「完成前に業者が言ってた想定賃料がまるっきり嘘だった」、「賃貸に出してみると、想定賃料の半額くらいしかとれない」、「ローン組んで買ったけど家賃ではとても返済できない」等々…

東日本大震災のショックさめやらぬ2011~12年頃、マレーシアのコンドミニアムが日本人に爆発的に売れた時期がありました。彼らが完成2~3年前くらいのタイミングで買った物件が、いま続々と完成時期を迎えて、多くは賃貸に回っているわけですが、一般的に、期待通りの賃料で貸すことは難しいようです。

仲介業者が物件売りたいあまり、故意に嘘をついたケースばかりではないと思います。良心的な業者ほど、販売当時に知りえた情報から「この金額なら貸せる」と思う正直ベースの額を出したと思います。しかし、それでも新興国プレビルドで賃料の正確な予測は至難の業。中古不動産市場やデータの未整備、局地的な供給過剰などの問題山積だからです。

プレビルドで買っても、物件が完成して引き渡しを経て中古になったらいくらで貸せて、いくらで売れるのか?それを知って初めて不動産の投資判断ができるわけですが、新興国ではその種のデータが非常に乏しい。

「現状なければ、自分でつくるしかない!」。私はいま、タイのバンコクを舞台に中古物件の売買価格のリサーチを行っています。東南アジア新興国のなかで、バンコクは比較的古くからコンドミニアム建設が進んだ都市で、賃貸・売却のデータも比較的多く存在するからです。

たとえば、タイ版のHOME’S(LIFULL THAILAND Co., Ltd.)のウェブサイトでは、英語とタイ語で現地中古物件の売買、賃貸物件情報が15万件以上、登録されています。定期的にデータのクリーンアップをしており、情報源として信頼できる。

物件検索はエリアごと、駅ごと、道路ごとの検索が可能、物件位置が地図上にマッピングされるので確認しやすい。

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私はこのサイトを使って、「都心部ビジネス街=シーロム地区」と、「都心をちょっと外した新開発エリア=ラマ9世地区」の物件売買・賃貸価格を調べてみました。なお、表示価格は売主/貸主の希望価格であり、実際の成約価格はいくぶん低くなるようです。

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データを分析してみると、Excelの簡単な操作だけで、売買・賃貸価格の平均値や中央値、㎡単価、平均賃貸利回りなど、いろいろなことが分かります。都心シーロム地区に比べて、ラマ9世エリアはコンドミニアムの売買価格もこなれており、かつ平米あたり賃料が都心と大差ないので、投資対象として魅力的なエリアだと思います。

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さらに、同じ建物での売買、賃貸価格をサマリーして表示することもでき、適正な売買価格や賃料を知る上で、大体の目安にはなります。

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まだ途中ではありますが、こういう作業を地道に続けていけば、

・プレビルドの売り出し価格と、同地域の中古価格との乖離

が感覚的に理解できるし、

・業者の言う「見込み賃料」が地域相場からみて妥当であるのか?

の見極めも、ある程度できるようになると思っています。少なくとも、そこまできっちり調べてから、投資判断をしたいと思います。

【このコラムの著者】

鈴木 学

アジア太平洋大家の会 会長
1968年千葉県生まれ。一橋大学社会学部卒業。
卒業後、ITエンジニア・マネジャーとして、日本、豪州、中国、米国、インドの5ヶ国で勤務経験あり。海外在住経験は8年間。 2002年、豪州シドニーで不動産を買い賃貸に出し、日本から遠隔管理して自信をつけたことを皮切りに、現在では、日本、オーストラリア、米国、タイ、英国、ドイツに、計21室を所有・経営するグローバル大家。

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