右手 康登の不動産投資コラム

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突然ですが! ハワイ不動産 視察レポート

IREM JAPANの活動としてホノルルへ、カンファレンスの参加と、米国不動産視察の旅をしてきました

こんにちは! IREM JAPAN 東京支部長の右手(うて)です。

私は今年、IREM JAPAN(全米不動産管理協会 日本支部)の活動として、10月には米国アリゾナ州スコッツディールへ、そして、11月にはホノルルへと、カンファレンスの参加と、米国不動産視察の旅をしてきました。

今回は突然ではありますが、ハワイ不動産視察の様子を、一部ご報告します。

写真1写真2

アメリカでは、色々な不動産を視察する機会があります。
現地のIREMメンバーが、これはという物件のツアーを企画してくれます。
しかし、最近ではどうしても豪華な物件の視察が多くなり、少々現実離れしているところでした。
そのため、行く街、行く街で、ジョギングをすることによって、現地の物件を沿道からではありますが見て回ることで、それらの街の本当の姿を知る機会を作っていました。

そして今回のホノルルでは、IREM Hawaiiのメンバーが、現地の銀行視察を企画してくれました。

正直なところ、「銀行の視察といっても、具体的に何をするのかな・・・?」というのが本音だったのですが、参加してみて本当に良い経験が出来ました。
まずは、誰もが気になる「日本人向けの融資制度」を知ることが出来たということです。

今回訪問した銀行は、Territorial Savings Bank(テリトリアル セービングス 銀行)で、その本社(Head Office)内の裏側まで拝見させていただきました。

写真3写真4

この銀行は1921年 テリトリアル時代(ハワイ州になる前)に設立されており、日本でいう信用金庫的な役割の銀行です。
アメリカでは外国人向けの口座開設をしない傾向があるそうですが、ハワイやグアムでは海外向け口座開設を進めているようで、その一角をなしているのがこの銀行です。
ハワイ島に2店舗、マウイ島に3店舗、カウアイ島に1店舗など、30の支店があり、主にショッピングセンターなどに開設している、ローカル的な位置づけの銀行です。

この銀行が提供する「日本国籍非居住者向け」のローンは、以下のような条件が基本となっています。

表1

ローンの限度額は$500,000ということですが、融資額に関しては相談可能とのことですので、この額に縛られることはないようです。
また対象物件は、オアフ島内の土地所有権物件に限られていて、借地権やコンドミニアムホテル、オアフ島以外の物件の担保価値が低いと判断されています。

上記の条件では不都合がある場合には、業務提携先金融機関への紹介制度もあるとのことです。

しかし、この銀行を利用するメリットとしては、
 1.比較的日本人向けとしては低金利であること
 2.審査が簡素
 3.ローンの進行状況の把握がしやすい
 4.書類の英文翻訳等の必要がない

年齢的な差別は一切ないそうで、80才を超えていても融資を受けることが出来ます。
アメリカでは仮に30年ローンの融資を受けたとしても、30年の完済をする人はいないと言われます。
それは、融資の実行を受けたあとに、もっと有利なローンが市場に現れた場合、大きなペナルティーもなく借り換えが出来るからなのです。
だから、借り手はどんどん他のローンに乗り換えて行くそうです。
そのため年齢は関係なく、それよりもきちんと評価をして、貸し倒れにならないかのチェックの方が大切とのことです。

当然上記以外にも詳細事項はありますが、興味のある方はお問い合わせいただければ、簡単なご説明や銀行のご紹介もさせていただきます。

さて、意外だったのが、ハワイの不動産の保険制度についてです。
この保険というのは、一般的にいわれる火災保険などの損害保険とは少々異なるものです。
これは不動産売買において、売手と買手の中間に立って、取引の手助けをするもので、物件そのものの所有権を正確に調査、チェックするエスクローを行ない、売主に完全なる所有権があることを証明できた場合に、取引を成立させるためのひとつの手段となっている、いってみれば「所有権保証保険」制度のようなものです。

我々は、先ほどのTerritorial Savings Bank(テリトリアル セービングス 銀行)から、TITLE GUARANTY(タイトル ギャランティー社)に移動して、この制度についての説明を受けました。

ハワイでは、1849年以前は全ての土地を、ハワイ王国が所有していました。
しかし、移住してきた外国人からの要請により、その頃より徐々に民間に対して土地の譲渡をするようになったそうです。
そして現在では、当時から見て4世代目5世代目の人たちが、不動産の所有者になっています。
しかし、その所有者たちの中には、譲渡を受けた記録がきちんと残っていない人もいて、その次の買手に、完全なる所有権を移転できない事故が、起きるケースが出てきたそうです。
そこでこの会社では、1896年以降117年間に及んで、これら所有権に関する調査を主に行い、不動産取引の事故を防ぐ業務をしてきました。
日本でいう法務局はアメリカにも存在するのですが、それはあくまでも申請された書類を受理するだけのもので、その権利関係に問題がないかは確認しません。

写真5

現在ではこの所有権に関するエスクロー調査は、売主の義務として行なわれ、その保険加入に関しては売主が60%、買主が40%の費用を負担し、銀行もこの保険に加入できない案件には融資を実行しないそうです。
また、その銀行もこの保険にローン額まで加入することになっているのです。
要するに、この保険に加入できない取引は、基本的には成立しないというのが現実です。
そして、売主買主が負担する保険料は、合計で取引価格の1%です。
また、この所有権に関するエスクローとは別に、物件の調査であるデューデリジェンスは買主の責任で行なうとも聞きました。

さて、最後に現在のハワイの不動産状況が、どうなっているのかということを少しお話したいと思います。

ハワイでも他の海外地域と同様、リーマンショックのあとには不動産価格は概ね10%から15%の下落があったそうです。
我々日本の下落に比べれば少ないように思えますが、さすがのハワイも下落はあったのですね。
しかし、現在ではその価格もリーマンショック以前の状況に戻り、更に上昇を続けているようです。

一般的な住宅の価格は、$500,000(5000万円)以上が普通ではないかと感じています。
それも場所によって当然異なりますが、ホノルル等のダウンタウンと、どれくらいの距離があるのか。
そして、どこでもいわれることではありますが、ロケーションはどうなのか、ということが大きく価格を左右しているようです。
 
今回は超現実的なタウンハウスの分譲地を、見学してきました。
IREM Hawaiiのカンファレンス&アワードで知り合ったTammyさんが管理している物件です。
皆さんには「タウンハウス」という言葉は、馴染みがないかもしれませんが、日本でいう「テラスハウス」のイメージで縦割りの長屋の分譲住宅です。

写真6写真7

場所はホノルルから車で30分ほどの、Hokuloaという地域にある物件です。

物件概要は、

表2

築年数が42年で屋根材が木片を利用しているため、屋根の補修工事が随時進められていて、その積立金は4億円に及ぶとのこと。
また、屋根工事以外に、給排水管のやり替え工事が、重要な資本改善工事のひとつになっています。
しかし、これらのメンテナンスを計画的に行なっているおかげで、街並と物件の価値が維持、向上されています。

写真9

この物件には、共用利用できるプール、テニスコート、バスケットコート、子供用公園が2つあり、特にマウンテンビューが売りになっています。

写真10

最近の購入者層は、若い20代後半から30代の世代で、2から3回の買い替え客であるようで、大体の世帯収入はダブルインカム(夫婦共働き)で$700程度とのことです。
決して高い収入ではありませんよね。

築年数は42年と古い物件ではありますが、物件が売り出されるとほぼ即日で完売してしまう人気物件とのことで、やはりその理由はホノルルまでの距離と、景観の良さなのでしょう。

また、この賃料と売買価格ならば、まぁいい投資にもなりそうですよね!

ホノルルから片道90分かけて通勤することを選択する人が沢山いる反面、その通勤を嫌い広さや自然はなくても街中での生活を選択する人もいます。
ほとんどの家庭では住宅価格が高いため、2世帯、3世帯、4世帯での生活をしているのが一般的で、我々がイメージする夢のハワイ生活は現実的ではないのかもしれません。

写真11写真12

そして、投資用不動産の売買価格も上昇傾向にあり、売り出し時から完成するまでの間にどんどん値上がりしているケースが多く、ワイキキに建設予定のリッツカールトンも購入金額が高いため、とりあえずは損益分岐点を割らない程度での運営を任せ、出口(売却)でのキャピタルを狙っているとのことです。

東京都心の不動産も、2020年の東京オリンピックのおかげで、相当にバブル気味になっていて、少々心配するところもありますが、ハワイの不動産はなんとも力強さを感じたところでありました。

【このコラムの著者】

右手 康登

NPO法人 IREM JAPAN 理事 兼 東京支部長
1963年 生まれ 駒沢大学経営学部卒
1987年 旧小堀住研(現 ヤマダ・エス・バイ・エルホーム)に学卒入社
    注文住宅受注を約200棟、建売事業、開発事業、総事業費43億円の等価交換事業を行う
    神奈川県内8つの営業所を統括する営業マネージャーとして活躍
2001年 独立 新都市総合管理㈱ 代表取締役に就任(現在に至る)
    「相続・不動産経営」に特化したコンサルティング会社を運営
    建築・開発行為がわかる不動産業者として、現場での経験をベースにした客観的な現状把握と、創造的な改善提案をすることによって「より資産価値を高める提案」すると評価が高い

経営理念
「より安全で、力強い不動産を創造・経営するために、『感謝の気持と譲る心の大切さ』という価値観を軸として、高度な知識の習得、物事をシンプルに受け止める姿勢、当たり前のレベルを向上させる努力を続け、社会に貢献する」

同じ価値観とスキルを持つ仲間を増やし、理念の実現を目指している
今後の展望としては、現在の「相続・不動産経営」のコンサルティングの幅を広げ、中小企業向けM&A事業にも着手していこうとしている

著書 「右手 康登がコーチする『あなたも今日から大家さん』」(諏訪書房)

新都市総合管理株式会社 代表取締役
NPO法人 IREM JAPAN 理事 兼 東京支部長
一般社団 CCIM JAPAN 理事
神奈川県不動産のれん会 副会長
神奈川不動産相談協会 理事
相続実務学校『野口塾』 塾生

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