右手 康登の不動産投資コラム

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LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

2月末 繁忙期最終段階でのオーナーとしての活動

この時機を逃すと、また空室が続いてします。今の内に入居者を確保したい。いま何をしておくべきなのでしょうか。

IREM JAPAN(全米不動産管理協会 日本支部) 東京支部長の右手 康登です。
2月末、賃貸の入居者募集は繁忙期最終段階ですね。

賃貸オーナーとしては、この時機を逃すと、また空室が続いてしまいます。
今の時期に、どうしても入居者を確保しておきたい。
この様に考えるのは当たり前のことです。
では、皆さんはいま何をしておくべきなのか・・・それを簡単に整理しておきましょう。

1 募集活動に関して

まず最初に、いくつの空室を埋めなければならないか、再度確認を行ないます。
その情報が、業務委託している管理会社や、協力してくれている仲介会社に、正確に伝わっているのかの確認が必要です。
物件の清掃を、業者に依頼されている方もいらっしゃると思いますが、清潔さというものは、これ以上という基準がありません。
オーナーさま個人で再度物件の内部外部の確認をしてみてください。
あなたが、仮にこの物件を見に来た入居者候補だったらどう感じるか。
それは清潔で、住みたいと思える清潔さがあるかどうかということです。
この観点を忘れずに、物件の再チェックと清掃を心掛けてください。
業務依頼されているのだから、こんなことは業者がするべきだ!とお考えになるかもしれませんが、そこは冷静により自分のためになるようにとの価値観の上での行動が重要です。

2 賃料の設定と収支を考える

さて、今更物件の価値を上げるリノベーション工事をする時間もないので、本意ではないですが賃料についての見直しが必要です。
インターネットで、競合しそうな物件情報を見てみてください。
どの物件を見て比較するればいいのか?

1)賃料帯は、同等額以下の物件
2)駅からの距離は、同じかよりも近い物件
3)広さは、同じ程度のものを中心に、その前後の物件
4)契約初期の費用負担も比較(敷金、礼金、保証料その他)

ここで大切なのは主観を入れず、いかに客観的にその状況を見ることが出来るかです。
そして、それらの情報の裏付けを取るために、協力してくれている業者さんに、自分の物件の賃料に関するヒアリングを行ないます。
概ねの意見は、「少々高いと思いますよ」との返事が来ると思います。
それは想定内のことと思い、そこで「いくらだったら決められますか? どういう条件が望ましいですか?」というヒアリングを重ね、今後の方針を決めてください。
かなり言いたい放題言われることと思いますが、そこはじっと我慢して聞くだけ聞いてください。
まずは、顧客情報をもっている業者の皆さんに、私たちの物件への関心を持ってもらうことが大事であり、彼らに契約を取り付けてもらわなければなりません。

上記でのご提案は、一見すると賃料水準を下げるだけのように感じられるかもしれませんが、「オーナーさまは月額賃料のために経営をしているのではない」という認識を再度思い出してください。
   
要するに、確定申告をしているのであれば、1月1日から12月31日にまでの収入の最高額を目指しているのです。

仮に1月から3月まで空室だったとします。
その物件を10万円で募集していますが、いっこうに反応がありません。
ここで、上記のようなヒアリングをした結果、決断した賃料が9万円だとします。
そして今までは支払っていなかった広告料を、10万円支払うことにしました。
その結果、4月からの入居が決まった場合と、結局何も改善しないで4月以降の入居者を逃した場合の収支の差を比較するべきです。

4月からの入居者が決まった場合は、

 9万円×9ヶ月−10万円の広告料=71万円の収入です。

しかし、ここから管理料や租税公課等の運営費が差引かれます。

次に、4月以降の入居者を確保できなかった場合です。

 収入はゼロ。

マイナスは租税公課と共用部インフラ費用等
・・・要するにマイナスだけです。

今ならば、まだ間に合います。
この現実差を良く理解していただき、情報を集めて、よい決断をしていただきたいと思います。

3 契約内容に関して

この時期になると、より多くの入居希望情報を集めたくなるのですが、やはり気持が焦ってきます。
ですから、より冷静に入居者審査をすることが求められます。

しかし、厳しくし過ぎることは意味がありませんので、オーナーとしてのリスクの許容度を確認しておく必要があります。
管理会社と協議して、どのような条件であれば検討するのかなどを決めておきましょう。
保証会社での審査、保証を使う場合も、どの会社を準備しておくべきなのかは大切なポイントです。
ちなみに私の会社では審査は3社ほどの保証会社を用意しています。

また、契約内容も検討しておくことが重要です。
私どもでは、ほぼ100%定期借家契約を推進しています。
状況によっては364日の契約も実施します。

また、契約期間満了日についても協議しておく必要があります。
例えば、契約始期日が、4月1日であれば、通常は翌年か翌々年の3月31日が期間満了日となるでしょう。
しかし、それでは、その際の募集活動で苦労します。
ここも知恵の使いどころですが、契約満了日に関して入居者にはきちんと話をして、3月の中旬での契約を推進しておくことも、次のリスクを回避する手法となります。

【このコラムの著者】

右手 康登

NPO法人 IREM JAPAN 理事 兼 東京支部長
1963年 生まれ 駒沢大学経営学部卒
1987年 旧小堀住研(現 ヤマダ・エス・バイ・エルホーム)に学卒入社
    注文住宅受注を約200棟、建売事業、開発事業、総事業費43億円の等価交換事業を行う
    神奈川県内8つの営業所を統括する営業マネージャーとして活躍
2001年 独立 新都市総合管理㈱ 代表取締役に就任(現在に至る)
    「相続・不動産経営」に特化したコンサルティング会社を運営
    建築・開発行為がわかる不動産業者として、現場での経験をベースにした客観的な現状把握と、創造的な改善提案をすることによって「より資産価値を高める提案」すると評価が高い

経営理念
「より安全で、力強い不動産を創造・経営するために、『感謝の気持と譲る心の大切さ』という価値観を軸として、高度な知識の習得、物事をシンプルに受け止める姿勢、当たり前のレベルを向上させる努力を続け、社会に貢献する」

同じ価値観とスキルを持つ仲間を増やし、理念の実現を目指している
今後の展望としては、現在の「相続・不動産経営」のコンサルティングの幅を広げ、中小企業向けM&A事業にも着手していこうとしている

著書 「右手 康登がコーチする『あなたも今日から大家さん』」(諏訪書房)

新都市総合管理株式会社 代表取締役
NPO法人 IREM JAPAN 理事 兼 東京支部長
一般社団 CCIM JAPAN 理事
神奈川県不動産のれん会 副会長
神奈川不動産相談協会 理事
相続実務学校『野口塾』 塾生

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