佐藤 益弘の不動産投資コラム

シリーズ連載: 不動産投資を始める前に知っておきたいこと・始めた後に確認したいこと

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

高齢化と不動産投資(1)~必須の統計データ、最新の「簡易生命表」を見る

「人生100年」というキーワードを見ない日はありません。そのような中、7月30日に平均寿命などが掲載されている平成30年度版「簡易生命表」が公表されました。
不動産投資をする方にとって、「人生100年」という高齢化に関するデータは、自分自身が投資をする上でも、顧客である入居者が年々高齢化していく点からも重要です。
そこで、今回から2回に分けて、この平成30年度版「簡易生命表」について、見ていくことにしましょう。

そもそも簡易生命表とは?

「簡易生命表」は、「完全生命表」と共に基幹統計に指定され、政府が行う各種施策に反映されるデータです。

「簡易生命表」とは、厚生労働省が人口推計による人口や人口動態統計月報年計(概数)による死亡数、出生数を基に毎年作成されており、7月下旬に公表されています。調査時点での死亡状況をベースに、今後の日本人の「死亡率」や、ある年齢の人々がその年から生きると期待できる平均年数である「平均余命」などの指標を示す表です。因みに、0歳時の平均余命が「平均寿命」と言われています。

また、「完全生命表」は、5年に1度の国勢調査による人口(確定数)や人口動態統計(確定数)による死亡数、出生数を基に作成しています。

近年、年金の試算に利用されるある基幹統計の集計ミス(?)が国会で議論の対象となり、話題になったばかりです。この簡易生命表も前回の住宅土地統計調査同様、統計法に基づく基幹統計なので、不動産投資を行っているみなさんにとっては将来の運用状況などを予測するための必須データとなります。

今回(7月30日)公表されたデータのうち、「平均寿命の国際比較」と「死因別死亡確率」については不動産投資と関係が低いと思われます。ですから、このコラムでは、「平均余命」と「寿命中位数等生命表上の生存状況」の状況を中心にお伝えし、不動産投資での対応方法について考えたいと思います。

高齢化の現実 ~主な年齢の平均余命の伸び

高齢化を知るために、先ず、平均寿命・平均余命を見ていきましょう。
平均寿命ですが男性は 81.25年(歳)、女性は 87.32年(歳)で、前年比 男性は+0.16年(歳)、女性は+0.05年(歳)となっています。主な年齢の平均余命を見ても、男女とも全年齢で前年比を上回っているので、高齢化がより一層進行している事がわかります。

また、男女差は6.06年(歳)で前年より0.11年(歳)減少しました。と言うことは、わずかですが男性の高齢化率の伸びが女性より高くなっているということです。

高齢化というと、女性をイメージする方が多いと思いますが、ご自身の投資エリアを確認すると、男性比率が高いかもしれませんね。

その他、この表を見るとイロイロなことを想定できます。

老後のために、いつから不動産投資を始めるべきか?

例えば、自分自身が不動産投資をしていくのなら、「何年くらいの投資期間を想定すべきか?」認識できます。
老後の年金収入の+αとするために不動産投資を検討するのであれば、年金受給できる65歳で男性は後20年(歳)、女性は後25年(歳)近く生きるので、その期間は投資が続けられるような条件の不動産(土地・建物)やマーケット環境を想定しておく必要があります。

また、老後のために「いつから不動産投資を始めたら良いか?」聞かれることもあります。人生が多様化している中、この回答は正直、簡単ではないのですが、1つの目安として、「人生の折り返し地点を確認する」ことをお勧めしています。例えば、簡易生命表(※統計表)を見ると、男性の場合は41年(歳)、女性の場合は44年(歳)で、それまで生きてきた期間(歳)とその後の平均余命が同等になります。この時期、お子さまがいらっしゃる方にとっては教育資金が多く掛かる時期ですから、老後の準備を始められる方は少ないかもしれませんが、1つの発想として持っていて下さい。

※ 統計表
平成30年簡易生命表(男)
平成30年簡易生命表(女)

もちろん、もっと早い時期から老後のために不動産投資をし、資産形成に努めるのは良いことです。ただ、人生は勝ち抜き戦。いろいろな出来事=ライフイベントが年代ごとに順番にやってきます。不動産投資のデメリットは現金に換えづらいという流動性の低さですから、その点を認識しましょう。

不動産投資に失敗しないためにも、初心者コラムでも書いたように、まずは失敗する要素である「知識不足」「情報不足」「計画不足」を補う努力をすることです。できる事から始めてみましょう。

【このコラムの著者】

佐藤 益弘

東洋精糖(株)の不動産部門にてマンション開発・販売統括・管理支援などの主任を務める中、CFP®資格(FP)を取得。
オールアバウト・不動産投資(現土地活用)ガイドとして10年以上活動する中、延べ1000名以上の不動産投資家と触れ合い、成功事例&失敗事例を蓄積。

現在、お客さまサイドに立ったシンの独立系実務家FPとして、そのネットワーク確立のため、「マイアドバイザー®」を運営。
数少ない 金融商品販売を伴わない コンサルティング業務をメインとした~ お金の家庭教師≒教科書通りのFP として活動中。

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