佐藤 益弘の不動産投資コラム

シリーズ連載: 不動産投資を始める前に知っておきたいこと・始めた後に確認したいこと

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

賃貸住宅の災害対応・・・その第一歩(1)

今年度末も見えてきました。
今年度も昨年度同様、全国各地で大きな自然災害に見舞われ、甚大な被害をもたらされました。特に関東を直撃した台風15号による千葉県を中心に発生した長期停電、史上最強規模の台風19号など・・・・・・私たちの生活が常に自然災害と隣り合わせであることを思い知らされ、また、その影響も大きさも痛感することとなりました。

そこで、今回は、不動産投資を行う上での最大のリスク、自然災害への対策をどのようにしていけばよいか? ハザードマップの活用について、複数回に分けて考えてみたいと思います。

「災害リスク」を考える上での難しさ

不動産投資を行う際、様々な投資リスクを背負うことになります。

代表的なリスクとして、収支の悪化、つまり、収入ダウンに繋がる「空室・家賃滞納リスク」や「家賃下落リスク」、支出アップに繋がる「原状回復・修繕リスク」や「金利上昇リスク」。また、管理運営上の「入居者トラブル」などがあります。

特にアパマン経営などの現物投資を行う際には、その投資効率は、嫌が上でも保有不動産のある周辺環境に大きな影響を受けることになります。

このような自分でコントロールできないリスクに関しては事前に把握し、万が一の際の対応を想定しておく必要があります。

【参照】「不動産投資における10のリスクとその回避法!

数々ある不動産投資のリスクの中でも、地震や台風などの「自然災害」や今回の新型コロナウィルスのような感染症の流行などに関するリスクは予測しづらく、最大のリスクだと感じています。

そもそも“リスク (Risk)”という言葉自体は「危険」でも“予測可能な”という意味を持っています。ただ、「自然災害」に関するリスクは「危険」でも“予測できない”=“デンジャー(Danger)”に近いモノでしょう。

では、「本当に予測できないのか?」というと、そうでもありません。
例えば、地震予知:緊急地震速報のように、現代社会においては、膨大な気象データ等がありますから、地殻変動など定点観測し、スーパーコンピュータなどを駆使することで、かなりの確率で予測ができるとは言われています。

ただ、これらの予測は予測時期が近いほど精度(確率)が高くなり、長期の場合は予測(≒勘)の域を出ないケースも多いはずです。

どのように「災害リスク」に対応するか?

実際、「日常生活における防災に関する意識や活動についての調査結果」(出所:内閣府防災担当 2016年2月)を見ても災害発生に対する意識としては発生する可能性が高いと思っている方(=ほぼ確実に発生すると思う+発生する可能性は大きいと思う)が6割超いる反面、災害への備えをしていない方(災害に備えることは重要だと思うが、災害への備えはほとんど取り組んでいない+自分お回りでは災害の危険性がないと考えているため、特に取り組んでいない)も6割前後いらっしゃるようです。

投資の観点から考えても、不動産投資は長期投資を前提に検討を重ねますから、厳密に災害リスクを検討しようとしても、自ずと限界があります。

また、不動産は他の投資よりも流動性(換金性)が低いですが、価値が高い資産です。
投資するにしても大きな資金を投入することになり、大きな資産価値を保有することにもなります。ひとたび大きな自然災害に見舞われると、保有不動産自体の損傷もそうですが、周辺環境が一変することで、資産価値が大きく減少・・・・・・最悪、価値がゼロになってしまうことにもかりかねません。

自治体により詳細は異なりますが、投資用不動産の場合、自宅など居住用不動産と異なり、災害後の公的補償は無いケースがほとんどです。

つまり、基本的に自助努力で災害対応することになりますから、具体的に保険などでリスクヘッジする前に「どれくらいの損害を受けるか?」予想する=知ることは非常に大切です。

ただ、繰り返しになりますが、災害発生やその被害状況を予測することはとても難しいわけです。

そこで、最低でも事前に「どのような災害に見舞われそうか?」「その善後策をどうすればよいか?」自分自身で認識しておくべきです。

実際、災害に対するリスクは認識しているが、しっかり対応している方はほとんどいないと感じています。

これから不動産を購入される方であれば、その不動産自体の質的条件だけではなく、災害リスクを含めたその周辺環境をしっかり調べ、収支を計るべきです。

また、既に不動産を保有している方は、今お持ちの不動産がどのような災害リスクを負っているのか? を再確認することにより、事前に対応策を検討することができます。

そのために活用できるのが、「ハザードマップ」でしょう。

次回に続く・・・

【このコラムの著者】

佐藤 益弘

東洋精糖(株)の不動産部門にてマンション開発・販売統括・管理支援などの主任を務める中、CFP®資格(FP)を取得。
オールアバウト・不動産投資(現土地活用)ガイドとして10年以上活動する中、延べ1000名以上の不動産投資家と触れ合い、成功事例&失敗事例を蓄積。

現在、お客さまサイドに立ったシンの独立系実務家FPとして、そのネットワーク確立のため、「マイアドバイザー®」を運営。
数少ない 金融商品販売を伴わない コンサルティング業務をメインとした~ お金の家庭教師≒教科書通りのFP として活動中。

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