佐藤 益弘の不動産投資コラム

シリーズ連載: 不動産投資を始める前に知っておきたいこと・始めた後に確認したいこと

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

新型コロナウイルスへの対応から学ぶ不動産投資のリスク対応

執筆時点(令和2年~2020年2月26日)で、世の中、新型コロナウイルス関連のニュースで一杯になっています。感染予防のためのマスクやアルコール消毒薬の不足、また、継続する感染者の拡大。感染防止のため、学校の休校や大規模なイベントの開催自粛要請など企業活動の自粛&停滞が出始め、景気の先行き、実体経済への影響の不安が拭えません。

そのような中、令和2年~2020年2月25日に首相官邸の新型コロナウイルス感染症対策本部より「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」が発表されました。

別コラム「賃貸住宅の災害対応・・・その第一歩」でも触れましたが、数々ある不動産投資のリスクの中でも、今回の新型コロナウイルスのような感染症の流行に関するリスクは、地震や台風などの「自然災害」などと同様、予測しづらいリスクです。 事前対策も採りづらいので、不動産投資にとっても最大のリスクだと言えます。

今回は、現在進行形の話になりますが、この報告書から、不動産投資にも活かせるリスクへの発想について確認したいと思います。

1. まず、公表された報告書はどのような内容か?

この報告書は、以下のような構成=項目立てでまとまっています。
ご自身の健康にも影響があるので、一読されることをお勧めします。

1. 現在の状況と基本方針の趣旨
2. 新型コロナウイルス感染症について現時点で把握している事実
3. 現時点での対策の目的
4. 新型コロナウイルス感染症対策の基本方針の重要事項
(1)国民・企業・地域等に対する情報提供
(2)国内での感染状況の把握(サーベイランス(発生動向調査))
(3)感染拡大防止策
(4)医療提供体制(相談センター/外来/入院)
(5)水際対策
(6)その他
5. 今後の進め方について

この項目立ては、一般的に問題に向き合い、解決する際の流れと一緒ですから、不動産投資を行う上でも参考になります。

つまり、

1. 現状と基本的な立場の確認
2. 直面している問題の整理
3. 対策する目的の確認
4. 対策の基本方針と具体的な進め方

になります。

さて、報告書の概要をお伝えすると、

新型コロナウイルスに対して・・・
・これまで水際対策を講じてきた

しかし・・・

・複数地域で感染経路が明らかではない患者が散発的に発生し、一部地域には小規模患者クラスター(集団)が把握されている

 感染の流行を早期に終息させるためには・・・

・さらなるクラスター(集団)が生み出されることを防止する

つまり、この段階で終息化させることが必要なので・・・

・ウイルス感染拡大の可能性が高い、まさに今(この2週間)が、今後の国内での健康被害を最小限に抑える上で、極めて重要な時期である

と判断して、

・拡大防止策を周知徹底す

ために、報告書が作成されたということです。

事実、徹底した対策を講じていく段階に入ったということで、翌日2月26日(水)に政府から大規模なイベントの自粛要請などが行われたわけです。

2. 今回の問題の本質

今回、感染が拡大している新型コロナウイルスは、2019年に発見された新しいタイプのウイルスです。ですから「明確な完治法が未確定・・・確かなことがわかっていない」段階で、感染が拡大してしまったことが、今回の騒動の問題点で、本質です。

私たちが持つ不安にはさまざまなモノがありますが、大きく分けると3つに集約できるでしょう。
人間関係などを理由に気持ちや心が不安になること、現代社会を生き抜くために必要なお金が不足するために不安になること、そして、病気や怪我などで体(健康)を害することで不安になることです。この中で、最も大きな不安は「命を取られるかもしれない?」という生死に関わる人間にとって本能的な不安です。

今回の新型コロナウイルスの感染拡大は正にこの領域の話です。新しいウイルスであるが故、情報が不足し、正確な知識が「わからない」ことから、不安が増長されているわけです。

2000年以降、私たちは様々な危機を経験し、乗り越えてきました。
例えば、リーマンショックのような世界を巻き込んだ経済危機やわが国に起こった東日本大震災のような大災害がありました。その度毎に、通常では非常識と思われる緊急的な対応を執り、乗り越えてきました。
ただ、衛生環境が良いわが国で、今回のような感染症が流行すること≒(正式には認めていませんが)パンデミックが起きたことはなかったのではないでしょうか?

現時点での新型コロナウイルスの評価は、過去、世界的に流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)と比較し、感染力は高い(ウイルス1に対して1.4~4人程度)が、致死率は低いと認識されています。

実際に、通常のインフルエンザと見分けが付くか? 素人には難しく、感染後の対応はプロである医師など医療関係者にお任せするしかありません。

私たちが取れる対応策としては、体力をしっかり付け、感染しないようにする手洗いなど行う「予防的な対応」と 発熱など感染が疑われる状態になった時に=「問題が発生した時の対応」の2段階に分けられます。

3. 不動産投資にも活かせるリスク対応とは?

このように、状況を時間的な推移で発想した対応策を事前に想定しておくことは、早期改善・回復のためにも有効な方法です。

コラムを書いている私自身も医者など医療関係者ではありませんから、新型コロナウイルスに関する正確な知識は持っていません。ただ、逆説的な言い方ですが、正確な知識を持ち合わせていない以上、正確な情報を知ったところで、間違った判断をしてしまう可能性は十分にあり得ます。

不安はよくわからないことから増長されるものです。
不安を解消するには、まず、不安になる原因、今回であれば新型コロナウイルスに関する知識を正確に得てから、情報を正確に得、正確に判断し、行動する必要があります。
つまり、「知る」ことが最善の近道です。

この発想は、何も新型コロナウイルスに限らず、不動産投資にも当てはまるでしょう。

今後、一定期間を経た後、今回の騒動を顧みたとき、その前後で様々な変化が起きていたことに気付くと思います。

例えば、現時点で私個人が感じていることですが、災害対策的な観点からも在宅ワークを行うことを前提にした住宅のニーズは確実に高まるでしょう。

その場合、次世代通信である5Gやストレスのないインターネット環境の整備やそれを実現するための電気供給システム、健康を維持するために必要なフレッシュな空気や水などを得つつ、快適性を維持しながら生活するためにどのような設備が必要か? 住宅で快適に仕事をするためにはどれくらいのスペースが必要か? また、そのために必要な精神的・経済的な負担はどれくらいか? など、不動産投資家として考えることが出てきます。

総じて、長いスパンの歴史的な視点から今回のような危機を見ると、そこから未来に向けた新しいモノや発想が生まれてくるはずです。

最後に、掲載時点では辛い経験をしている方もたくさんいらっしゃると思います。
ただ、このような苦難から新しい未来への芽が生まれてくると信じて進んでいきましょう。

なんだか精神的なコラムになってしまい、申し訳ありません。

【このコラムの著者】

佐藤 益弘

東洋精糖(株)の不動産部門にてマンション開発・販売統括・管理支援などの主任を務める中、CFP®資格(FP)を取得。
オールアバウト・不動産投資(現土地活用)ガイドとして10年以上活動する中、延べ1000名以上の不動産投資家と触れ合い、成功事例&失敗事例を蓄積。

現在、お客さまサイドに立ったシンの独立系実務家FPとして、そのネットワーク確立のため、「マイアドバイザー®」を運営。
数少ない 金融商品販売を伴わない コンサルティング業務をメインとした~ お金の家庭教師≒教科書通りのFP として活動中。

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