佐藤 益弘の不動産投資コラム

シリーズ連載: 不動産投資を始める前に知っておきたいこと・始めた後に確認したいこと

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

サブリースの基礎知識と賃貸管理規制の強化
その1 いまさら聞けない サブリースの基礎知識

高齢社会が進展している中、年金の受給額が減少していくと思われている方が多いと思います。事実、以前は物価に変動していた年金の受給額は、現在は常に物価に対して一定割合低い数値で変動するマクロ経済スライド方式に変わっていますから、その穴埋めをする収入の確保が必要な状況です。

心身ともに健康でできるだけ長く好きな仕事をする=労働という選択も1つですが、できれば労働以外の収入、つまり不労所得を確保したいものです。

このコラムを読まれている方にはその手段として、手持ちの土地を有効活用し、賃貸経営するという発想を持たれる方も多いはずです。

ただ、同時に人口減少も進行していることから、しっかりマーケット=需給関係やニーズを確認しながら賃貸経営を考える必要もあり、昔々、わが国の人口が増加し、右肩上がりだった時のようには簡単に事は進みません。

徐々に高齢化し、的確な判断や意思決定ができるか?不安な面もあるので、サブリースなどを行う管理業者に業務委託をするという選択はごく自然に起きるモノです。

ただ、最近のニュースでは、サブリースを前面にした最大手の賃貸管理会社(建築会社)やハウスメーカーによる建築基準法違反、不動産投資に不向きな立地で賃貸経営を促すような強引な営業手法による悪評、金融機関も絡んだ大型の投資案件の破綻が起き、「サブリースを使えば賃貸経営は簡単です」というセールストークにのり、安易に賃貸経営を始めてしまった投資家が損をし、トラブルが増加しているという話はよく聞きます。

ただ、それでもサブリースを利用している方が多いのも事実です。行政サイドから見ても、単身世帯の増加や持続可能な社会の実現の観点から、生活の基盤として優良な賃貸住宅の重要性が一層増大していることから、昨年平成30年に、消費者庁、金融庁及び国土交通省から「アパート等のサブリース契約を検討されている方は、契約後のトラブルにご注意ください」や「サブリース住宅に入居する方はオーナーとサブリース業者の契約内容を確認しましょう」という、アパート等のサブリース契約を検討されている方やサブリース住宅に入居する方への注意喚起がなされました。

そこで、今回は“いまさら聞けない”「サブリース」ということで、そもそもの話から、今後想定される事柄まで、数回に分けてお伝えしていきたいと思います。

そもそも、サブリースとは

まずは、基本的なことから確認しましょう。

「サブリース」とは、「転貸借(又貸し)」のことです。

サブリースを図にすると、以下のようになります。

出典:金融庁・消費者庁・国土交通省「アパート等のサブリース契約で特に覚えておきたいポイント例」(平成30年11月30日)より

出典:金融庁・消費者庁・国土交通省「アパート等のサブリース契約で特に覚えておきたいポイント例」(平成30年11月30日)より

まず、家主が自らお金を出したり金融機関から融資を受けたりして、賃貸物件(住宅)を購入・建築し、その物件をサブリース業者に貸し出します。この契約を賃貸借契約=マスターリース契約と言います。サブリース業者は家主から借りた以上の家賃で入居者を探し、転貸借契約します。

家主側から見ると、直接、入居者に保有している賃貸物件を貸すのではなく、募集などその物件の賃貸管理業務を任せるサブリース業者に賃貸物件を貸すことになります。

通常、サブリース業者から保証される家賃は家賃相場より低い設定になっており、逆にこの差額がサブリース業者の収益になります。この差額を安定収入確保のための保険料的な費用として考えられるか否か? 違う言い方をすれば、投資効率=投資利回りを考える上で加味できるか否か? がサブリースの良し悪しを判断する上でのポイントになります。

また、この賃貸物件を建築する業者=デベロッパーやハウスメーカーの関連会社である宅建業者や賃貸管理会社がサブリース会社となることがほとんどです。賃貸事業の企画、資金計画、建物の設計・施工・監理、テナントの募集、建物の管理・運営などを総合的に請け負い、この方式を事業受託方式といって、土地の有効活用の主要な1手法です。

サブリース業者(宅建業者・賃貸管理会社)は、従来の賃貸であれば、単に仲介業務をするだけですが、サブリースの形態になると“当事者”として建築や管理も含め、投資の初めの第一歩から継続的に賃貸事業に関わっていきます。つまり、自分のブランド=信用力を使って大きな利益を得られるビジネスになるわけです。

投資家が考える当初の計画通り投資が進めば、手間ひまである管理業務をサブリース業者に任せることができます。経営者として自ら汗をかきながら不動産投資を行うのではなく、株主のように「良きに計らえ!」という賃貸経営を行いたい方向けの投資スタイルが「サブリース」です。

ですから、優秀なサブリース業者とパートナーシップを組めれば、彼らの持つノウハウや社会的な信用力を利用させて貰えるわけですから、任せて「安心」という不動産投資ができるわけです。

【このコラムの著者】

佐藤 益弘

CFP®認定者、日本FP協会 評議員
宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、住宅ローンアドバイザー(一財住宅金融普及協会)

東洋精糖(株)の不動産部門にてマンション開発・販売統括・管理支援などの主任を務める中、CFP®資格(FP)を取得。 オールアバウト・不動産投資(現土地活用)ガイドとして20年近く活動する中、延べ1000名以上の不動産投資家と触れ合い、成功事例&失敗事例を蓄積。

現在、お客さまサイドに立ったシンの独立系実務家FP~金融商品販売を伴わないコンサルティング業務をメインとした~教科書通りのFP=ライフプランFP® として、20年の長きにわたり活動。

他のコラム著者も見てみる

不動産投資家によっても違いは様々。
LIFULL HOME'Sが厳選した不動産投資家や専門家のコラムから色々な不動産投資スタイルを吸収してライバルに差をつけよう!

石川 和寿

シリーズ連載: 不動産会社のプロの意見

最新コラム: 賃貸のプロが教える入居者募集の6つのコツ

藤田 博司

シリーズ連載: 不動産投資家が次に着目している民泊投資とは

最新コラム: 民泊の準備で困ったこと

樗木 裕伸

シリーズ連載: 不動産投資を始める人のノウハウ

最新コラム: 不動産投資ローンと住宅ローンの違いと5つの金融機関の特徴

逆瀬川 勇造

シリーズ連載: 不動産投資を始める人のノウハウ

最新コラム: 不動産投資は常に融資との戦い?ローンの基礎知識や流れを解説

LIFULL HOME'S 不動産投資編集部

シリーズ連載: 不動産投資を始める人のノウハウ

最新コラム: 今こそ不動産情報サイトを活用しよう!コロナ禍で加速するオンライン化

風戸 裕樹

シリーズ連載: 初心者のための東南アジア投資ガイド

最新コラム: 第2章 日本の不動産市場と海外投資(3)

金井 規雄

シリーズ連載: アメリカ・ロサンゼルスで不動産投資 7年で1億円

最新コラム: あとがき

橋本 秋人

シリーズ連載: 実践派コンサルタントが見たFP的不動産投資事情

最新コラム: 新型コロナ禍で建売が売れている? ~不動産投資への影響と賃貸経営へのヒント~

LIFULL HOME'S PRESS

シリーズ連載: HOME'S PRESS編集部

最新コラム: 新たに始まる「住宅ストック循環支援事業」は特色のある制度に

田中 圭介

シリーズ連載: ASEAN地域の海外不動産投資の現状

最新コラム: No.53 ASEANへの渡航状況について

菅井 敏之

シリーズ連載: 誰も教えてくれなかった「銀行」~その傾向と対策~

最新コラム: 【第四回】必ず行っておきたい、銀行との「コミュニケーション」

LIFULL HOME'S不動産投資フェア

シリーズ連載: 2018/9/15+16 投資EXPO出展企業インタビュー

各出展企業インタビュー記事はこちら

LIFULL HOME'S マーケティング部 データ編集担当

シリーズ連載: ユーザーの本音から探る不動産投資

最新コラム: 将来性を秘めた街 『都心』エリア

鈴木 学

シリーズ連載: Withコロナの新・不動産事情

最新コラム: 個人投資家からみた、コロナ時代の不動産市況と投資戦略

石渡 浩

シリーズ連載: 不動産投資に有益な融資を受けるための知識

最新コラム: 第4回 税引後キャッシュフロー偏重の盲点 銀行は決算書のここを見る(後編)

北野 琴奈

シリーズ連載: 今後はどうする?不動産投資と資産形成・運用の考え方

最新コラム: 地価下落地区増で、不動産投資メリットの享受を改めて考える

猪俣 淳

シリーズ連載: 猪俣淳の「不動産投資の正体」

最新コラム: 売却による資金確保

右手 康登

シリーズ連載: CPM®流「相続・不動産経営 実践術」 右手 康登のコンサル「みぎからひだりへ」

最新コラム: 島国の中での常識 VS グローバルスタンダードを知ることの重要性

末永 照雄

シリーズ連載: 失敗しない不動産投資の法則

最新コラム: 米国不動産投資(2) ― サンディエゴ編

寺尾 恵介

シリーズ連載: 悩める投資家への「目からウロコが落ちる」アドバイス 誌上チャレンジ面談

最新コラム: 36.大家さんと幸せな人生について

伊藤 英昭

シリーズ連載: 伊東英昭氏の不動産投資コラム

最新コラム: vol.13 マンションと高級車

※ No.1表記について:不動産投資ポータルサイトが掲載をする物件数統計 2020年6月時点(フジサンケイビジネスアイ調べ)

※ No.1表記について:不動産投資ポータルサイトが掲載をする物件数統計 2020年6月時点(フジサンケイビジネスアイ調べ)

不動産投資・収益物件を検索するなら【LIFULL HOME'S 不動産投資】賃貸経営[マンション経営・アパート経営]をお考えなら、まずは掲載中の投資物件[投資用マンション・売りアパート・一棟売りマンション]を地域や価格帯、会社で検索して、価格や想定利回りで絞り込み!気になる投資物件を見つけたら物件の周辺情報を調べたり、収益シミュレーションを使って実際の運用をイメージ出来ます。不動産会社へはメールか電話でお問い合わせ・相談が可能です(無料)。不動産投資による資産運用をお考えなら【LIFULL HOME'S 不動産投資】

ページトップへ

情報セキュリティマネジメントシステム国際規格

株式会社LIFULLは、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格「ISO/IEC 27001」および国内規格「JIS Q 27001」の認証を取得しています。