佐藤 益弘の不動産投資コラム

シリーズ連載: 不動産投資を始める前に知っておきたいこと・始めた後に確認したいこと

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

サブリースの基礎知識と賃貸管理規制の強化
その2 いまさら聞けない サブリースのメリット・デメリット

投資は表裏一体、リスクリターンの関係になっており、メリットもあればデメリット=問題点もあります。

サブリースを検討するに当たり、まず考えなければいけないのは、そもそも不動産投資=賃貸経営として成立しているか?ということです。つまり、利益(=収入-必要経費)を得られなければ、投資できるわけがありません。

ですから、投資の開始時だけでなく、定期的に収支予測を行い、自分自身が目標としている利益=ターゲットリターンを確保できるか?を確認する必要があります。

サブリースが賃貸経営の1カテゴリーである以上、経営者もしくは投資家的な視点が大切です。

サブリースは自分自身が経営者として賃貸事業を切り盛りすると言うよりは、投資家=株主的視点で投資の是非を判断する必要があります。

以前したためたコラム「不動産投資初心者が一番最初に知っておくべきこととは?」でもお伝えした通り、自ら経営者として賃貸事業を切り盛りする場合には主に経営的な知識が必要になりますが、サブリースで必要なのは投資家=株主的視点ですから財務会計の知識になります。

サブリースの問題点・・・収入面から考える

主な収入は、サブリース業者から家賃収入という形で入ります。その原資は入居者から得られる家賃収入と家賃収入以外にサブリース会社が得ている収入になりますから、それぞれの面の収入予測ができるか?がポイントになります。

特にメインになる家賃が相場(予測)から大きくかけ離れて家賃下落リスクを加味しているか?また空室リスクなどを適正に加味しているか?など不動産投資するに当たり考えなければいけないリスクを確認した上で、最終的に保証されている家賃収入が適正か?判断する必要があります。

通常、サブリース業者から保証される家賃は相場の5~20%程度低い設定になっています。その上で、ご自身が目指される目標が達成できる「(実現)可能性が高いか?低いか?」という基準で判断し、不安であれば、家賃収入以外にサブリース会社が得ている収入についても確認する必要があるでしょう。

保証家賃が高い=手数料が低い方が利益を考える上で良いのは間違いありません。ただ、例えば、私たちのようなFPに実行サポートを依頼する時でも、豊富な経験やノウハウを持ち能力も高い=信用力が大きい専門家であれば、必然的にその費用は高くならざるをえないはずです。つまり、安いには何か理由がありますから、その点も確認する必要があります。

いずれにしろ、投資する際、将来収入の予測がなかなか簡単ではありません。
そうなると、費用面から考え、それ以上の収入を得られるか?という視点が大切になります。

サブリースの問題点・・・支出面から考える

費用面から考えたとき、ポイントになるのは、手数料と税金になります。

保証家賃のお話しはお伝えしたので、それ以外の費用について、見ていきましょう。

まず、賃貸管理業務には、保有物件の保守などハード面の管理と家賃収入や入居者に対する対処などソフト面の管理があります。

サブリースの場合、ハード面の保守費用などは所有者である家主が負担するケースが多いはずです。最近は、毎月一定期間額を負担することで継続的な保守をして貰える契約を進められることもあります。その場合、その保守内容がどのような内容か? 逆の言い方をするとサブリース業者側から見て、どのようなケースで家主に費用負担を請求できるか?確認しておきましょう。そうしないと思った以上に費用が掛かり、「そんなはずではなかった」という事態にもなりかねません。

一般的な賃貸アパートの場合、木造住宅の法的耐用年数(減価償却期間)が22年ですから、20年前後の投資期間を設定し、投資計画を立てているはずです。ですから、最低限の保守はしても建物や設備が古くなったら「壊して建て替える」もしくは一定期間経過後に「売却して、現金化する」という想定で賃貸経営をしていた方が多かったはずです。
サブリース業者にとっても繰り返し新築住宅を建築して貰ったり、買い換えて貰えれば、その分の利益も上げられるので好都合です。
家主にとってもその時代時代のニーズを新しい物件に取り込み、事業リスクを軽減できるので、右肩上がりの時代には悪い手段ではなかったと思います。

ただ、時代は変わりました。SDGs(持続可能な開発目標)などの発想も出てきており、2015年12月に第21回気候変動枠組条約締約国会議(COP21)により採択されたパリ協定により、2030年までに、2013年比で、温室効果ガス排出量を26%削減することになっています。
つまり、前述のような建て替えや買い換えを前提にした賃貸経営は行うことが、倫理面・コスト面からも難しくなりつつあります。今後、それに沿った法整備も進んでくるでしょう。

また、税効果=節税効果を加味して、投資のメリットを考えられなくもありません。特にサブリースを活用している方は相続対策として不動産投資をしているケースが多いので、キャッシュフローよりも節税に視点が向いている方が多いのも事実です。

ただ、不動産投資は何十年という長期投資を前提としているので、目標にしている投資期間の中で税制が改正される可能性はあります。特に裏ワザ的に情報提供される相対的に有利な税制ほど改正される可能性が高いでしょう。

税制は「変わるかもしれない」という不確定要素を意識しましょう。そもそも節税を意識している家主さんの投資目的は「資産の保全」であるケースが多いので、視点を広く持ち対応することをお勧めします。

【このコラムの著者】

佐藤 益弘

東洋精糖(株)の不動産部門にてマンション開発・販売統括・管理支援などの主任を務める中、CFP®資格(FP)を取得。
オールアバウト・不動産投資(現土地活用)ガイドとして10年以上活動する中、延べ1000名以上の不動産投資家と触れ合い、成功事例&失敗事例を蓄積。

現在、お客さまサイドに立ったシンの独立系実務家FPとして、そのネットワーク確立のため、「マイアドバイザー®」を運営。
数少ない 金融商品販売を伴わない コンサルティング業務をメインとした~ お金の家庭教師≒教科書通りのFP として活動中。

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