佐藤 益弘の不動産投資コラム

シリーズ連載: 不動産投資を始める前に知っておきたいこと・始めた後に確認したいこと

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

サブリースの基礎知識と賃貸管理規制の強化
その3 いまさら聞けない サブリースの今後?!

何のためにサブリースを利用して不動産投資をするのか?自分自身の投資目標を明確化して、考えてみましょう。そうすれば、どのような基準でサブリース業者と付き合うと良いかわかります。

そもそも大きな利益を得たいと言うことであれば、手間ひまがかかりますが、自分自身で(賃貸)経営する知識やノウハウを得て経営者として行動すれば、費用を低く抑え、利益を得られるはずです。
つまり、サブリースをしないという結論になるでしょう。

サブリースの話になると良し悪しの意見は真っ二つに割れることがあり、その理由は、不動産投資に対するスタンスの違いから来ています。

今までのコラムで、経営者的な対応をするのか? 株主的な対応をするのか?で、視点が変わるとお伝えしました。つまり、経営者的な対応をする投資家にとっては本来の家賃と保証家賃の差額分は確実に利益が減ってしまうわけですから許せないということになりますし、逆に株主的な対応をする投資家にとっては「任せて安心」は代えがたいメリットですから、良し悪しの評価も真反対になるわけです。

まず、自分自身がどのようなスタンスで不動産投資をするのか?認識しましょう。

サブリースの今後?!

最近のサブリース関連のトラブル増加に伴い消費者庁、金融庁及び国土交通省から出された前述のサブリースに関する注意喚起では、以下の点が具体的に指摘されています。

賃料減額や契約解除される可能性がある点

例えば、「30年一括借り上げ」など長期のサブリース契約だったとしても、入居状況の悪化や近隣の家賃相場の下落など状況変化により、契約期間中でも賃料が減額されたり、場合によっては契約が解除されたりする可能性があります。

これは通常の更新のある(普通)借家契約では認められている権利です。

対応策としては、サブリース契約の締結前に、業者から将来の賃料の変動する場合の条件や契約解除に関する事柄についてなされる説明をしっかりと受け、内容確認し、納得できなければ、決して契約を結ばないことです。

実務上はとても難しいと思いますが、理論上は、更新のない定期借家契約を締結できれば、原則、契約期間中の途中解約は認められず、家賃の固定化も可能です。

少なくとも国土交通省でも標準契約書のひな形を用意していますから、サブリース業者から提示された契約内容と比較し、内容がかけ離れているのであれば、交渉してみましょう。

物件取得する際に不正な融資を受ける可能性がある点

通常、投資を行う際、節税効果を計るため、融資を受けることになります。ただ、無理に融資審査を通そうとするがために、例えば、サブリース業者が自己資金のない投資家の預金残高を改ざんするなど不正を行ったケースがあったり、不動産業者と組んだ金融機関が融資の条件として認められていない抱き合わせ販売を行っていたりしたケースが問題になりました。

賃貸管理業務の適正化に関する法律・・・制定へ

近年、続発するこのようなサブリースに関するトラブルの防止&予防を図るために、3月6日(金)に「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律案」 が閣議決定され、国会で審議される予定です。

内容としては、サブリース業者やサブリース業者と提携して勧誘する業者を対象に
・勧誘時に、家賃の減額リスクなど相手方の判断に影響を及ぼす事項について故意に事実を告げなかったり、不実=噓を告げたりする等不当な行為を禁止する

・サブリース業者と家主のマスターリース契約の締結前に、家賃や契約期間等を記載した重要事項説明書面を交付して説明することを義務づける
ようにし、前述のような不正行為が起きないようにする。

また、悪徳業者を排除し、業界の健全な発展・育成を図るため、「賃貸住宅管理業に係る登録制度」が創設されます。

家主から委託を受けて賃貸住宅管理業務(賃貸住宅の維持保全、金銭の管理)を行う事業を営もうとする者について、国土交通大臣の登録を義務付けます。執筆時点では200戸になる可能性が高いと思われますが、管理戸数が一定規模未満の者は対象外となる予定です。

具体的に登録を受けた賃貸住宅管理業者に対して課せられる義務ですが・・・

1)事務所毎に、賃貸住宅管理の知識・経験等を有する者を業務管理者、つまり一定の資格を持った責任者を配置すること
2)管理受託契約締結前に、具体的な管理業務の内容や実施方法等の重要事項について書面を交付して説明すること
3)委託管理する家賃等について、自分自身の固有財産と分別して管理すること
4)業務の実施状況等について、管理受託契約の相手方、つまり家主に対して定期的に報告すること
などが予定されています。

元々、2011年9月から任意制度として「賃貸住宅管理業者登録制度」がありましたが導入が進まず、登録を義務化する事で、トラブルの予防・防止を図ろうとすることになりました。
【参照】賃貸住宅管理業者登録制度

以上のような方策を打つことで、今後、賃貸住宅管理は変化していくでしょうが、変化はこれで終わらないでしょう。

例えば、来年年度末に5年に1度改定される住宅政策「住生活基本計画」では、老朽化した賃貸アパマンなど集合住宅の保守・管理が課題に挙がっています。
現時点では審議会で議論中ですが、例えば、記載した修繕や保守などについて何かしらの方針が決まると思われます。

【このコラムの著者】

佐藤 益弘

CFP®認定者、日本FP協会 評議員
宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、住宅ローンアドバイザー(一財住宅金融普及協会)

東洋精糖(株)の不動産部門にてマンション開発・販売統括・管理支援などの主任を務める中、CFP®資格(FP)を取得。 オールアバウト・不動産投資(現土地活用)ガイドとして20年近く活動する中、延べ1000名以上の不動産投資家と触れ合い、成功事例&失敗事例を蓄積。

現在、お客さまサイドに立ったシンの独立系実務家FP~金融商品販売を伴わないコンサルティング業務をメインとした~教科書通りのFP=ライフプランFP® として、20年の長きにわたり活動。

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