佐藤 益弘の不動産投資コラム

シリーズ連載: 不動産投資を始める前に知っておきたいこと・始めた後に確認したいこと

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

新型コロナウイルス感染拡大から考える 大家がすべき対応 No.6 住生活総合調査からわかる 現状と未来の不動産投資2

「平成30年住生活総合調査」に基づき、前回は、①住宅及び居住環境に対する評価、②今後の住まい方の意向 について、借家にピックアップして見ていきました。

今回は、②今後の住まい方の意向の続きから、③住宅及び居住環境の個別要素に対する評価、④家族構成別の評価に進んで行きます。

今後の住まい方の意向は?【続き】

最近5年間の居住形態の変化において、どのような理由で住み替えたのか?借家関連の住み替えの理由≒目的(複数回答)を見てみると・・・
・持ち家から借家では「世帯からの独立(単身赴任、離婚などを含む)」が17.9%
・借家から持ち家では「子育てのしやすさ」が55.3%
・借家から借家では「居住費の負担の軽減」が47.8%
が、最も高くなっています。
前回もお伝えしましたが、ハード面の対応だけでなく、ソフト面の改善に注力することも大切です。例えば、コミュニケーションの度合いを高めることで、借家人の状況を早期に把握するなどの工夫ができると良いでしょう。

【住み替えの目的別に見た最近5年間の居住形態の変化別の割合】

この項目の最後に、具体的な住み替えの目的を見ていきましょう。
最近5 年間に実施した住み替えの目的を見ると、「通勤・通学の利便」が35.1%と最も多く、次いで「広さや部屋数」が21.4%、「世帯からの独立(単身赴任、離婚などを含む)」が18.2%となっています。
ただ、このデータは新型コロナ禍の前の調査データになります。新しい生活様式の模索なども続けているのが現状です。次回の同統計は5年後でないと出ないので、類似するデータが公表された際に、必ず同コラムで取り上げますからそれを読んで頂くか、ご自身でリサーチをするようにしましょう。

【最近5 年間に実施した住み替えの目的(複数回答)】

以上、住み替えの理由を知ることにより、ご自身の手持ち物件の状況と比較し、問題点があれば認識し、できるだけ改善するよう、努めましょう。

住宅及び居住環境の個別要素に対する評価は?

住宅及び居住環境に関して重要と思う項目を見ると、「治安」が39.8%と最も高く、次いで「日常の買物などの利便」が36.6%、「日当たり」が34.3%、「地震時の安全性」が33.7%、「通勤・通学の利便」が28.2%となっています。重要度の高い項目の不満率は総じて低い傾向になりますが、「地震時の安全性」については不満率も高いので、ポイントかもしれません。

なお、この調査は、個別要素について、「重要と思うもの」を任意で8つまでを選択する方式なので、生活上の安全性と利便性が上位に来ているようです。
この点を踏まえて、ご自身で運用している物件をチェックしてみましょう。

【住宅及び居住環境に関して重要と思う項目(8つまで回答)】


では、最後に、この要素をもう少し深く、見ていきましょう。

家族構成別に見た住宅及び居住環境の評価と住み替え・改善意向は?

具体的に「子育て世帯」「高齢者世帯(単身・夫婦)」について、確認します。

まず、子育て世帯が住宅及び居住環境に関して重要と思う項目(長子が17歳以下の世帯を抽出して集計)を見ると、「治安」が47.7%と最も高く、次いで「通勤・通学の利便」が45.7%、「日当たり」が43.4%、「日常の買物などの利便」が39.6%となっています。

全世帯の値と比較すると、「通勤・通学の利便」(+17.5ポイント)、「広さや間取り」(+13.0ポイント)、「子どもの遊び場、子育て支援サービス」(+12.0ポイント)などにおいて大きくなっている。一方、「高齢者への配慮(段差がない等)」(-9.1ポイント)、「福祉・介護の生活支援サービス」(-8.2ポイント)、「医療・福祉・文化施設などの利便」(-6.7ポイント)などにおいて小さくなっています。
特に分譲住宅と違い、賃貸用物件は収納スペースが少ない傾向にありますから、「収納の多さ、使い勝手」について不満率が高いように感じます。

「高齢者世帯」では「日常の買物などの利便」「地震時の安全性」等が重視されています。また、「高齢者への配慮」等については不満率が高くなっています。

人生100年時代といわれ、現時点でも、世帯数全体の1割が高齢者の単身世帯、1割5分が高齢者の2人世帯だといわれています。

賃貸オーナーの中には、高齢者の入居を避ける方も多くいらっしゃいますが、今後も高齢化率は上昇していきますから、高齢者層の不満も組み入れられる賃貸住宅を提供できると良いのではないでしょうか

以上、一通り、借家に関連する調査内容を見てきました。

来年度の土地や住宅に関する中長期の政策の立案に伴い、今秋の国会で、不動産関連の法規の改正が予定されています。
別のコラムでも認(したた)めさせて頂きましたが、所有者不明土地問題の解消を念頭にした内容です。

その前提条件として、今回紹介させて頂きました「住生活総合調査」も活用されています。

一足先に内容を確認し、ご自身の賃貸経営・不動産投資に、是非活かして下さい。

なお、詳細を知りたい場合は、以下の国土交通省ホームページに掲載されていますので、ご確認ください。
https://www.mlit.go.jp/report/press/house02_hh_000158.html

【このコラムの著者】

佐藤 益弘

CFP®認定者、日本FP協会 評議員
宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、住宅ローンアドバイザー(一財住宅金融普及協会)

東洋精糖(株)の不動産部門にてマンション開発・販売統括・管理支援などの主任を務める中、CFP®資格(FP)を取得。 オールアバウト・不動産投資(現土地活用)ガイドとして20年近く活動する中、延べ1000名以上の不動産投資家と触れ合い、成功事例&失敗事例を蓄積。

現在、お客さまサイドに立ったシンの独立系実務家FP~金融商品販売を伴わないコンサルティング業務をメインとした~教科書通りのFP=ライフプランFP® として、20年の長きにわたり活動。

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