逆瀬川 勇造の不動産投資コラム

シリーズ連載: 不動産投資を始める人のノウハウ

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

不動産投資の金利を知って、低金利でまわす方法!

不動産投資は融資を受けて投資を始められるという点が他の投資と決定的に違う点だ。

ただしその半面、借入額が大きくなるため、投資効果を出すためにはローンについてしっかりと理解しておかなくてはならない。不動産投資のローンにおいて常に考えておきたいのは「いかに低金利にできるか」という点だ。

今回は、金利タイプごとのメリット・デメリット等とともに低金利でまわす方法についてお伝えしていく。

■不動産投資の金利について知ろう

不動産投資に取り組むにあたり、まずは金利について知っておこう。

・金利とは?

金利とは、ローンを組むにあたり、借りたお金に利率をかけて返済していくものを指す。

つまり、不動産投資では毎月借りたお金(元本)と金利を返済していくということだ。

不動産投資では数十年にわたり返済していくこともあり金利の違いで毎月の支払いもさることながら、最終的な支払額にも大きな差が出る。

例えば、借入額1億円、金利2%、借入期間30年だと毎月返済額は36万9,619円(元本+利息)、最終的な利息分(30年分)は約3,300万円にもなる。

しかし、上記と同じ条件で金利が1%だった場合、毎月返済額は32万1,640円(元本+利息)、最終的な利息分(30年分)は約1,580万円と半分以下なのだ。

不動産投資において「できるだけ低い金利でローンを借りる」ことが、いかに大切かが分かる。

・変動金利と固定金利

ローンの金利タイプには、大きく分けると「変動金利」と「固定金利」がある。それぞれの特徴は名前からも分かる通り、金利が変動するか、固定されるかだ。以下は、それぞれの金利タイプのメリット・デメリットとなる。

「変動金利の特徴とメリット・デメリット」
変動金利は半年ごとに金利が見直される金利タイプで、大幅な金利変動があったとしても債務者が困らないように、「5年ルール」「1.25倍ルール」という2つのルールが用意されている。

5年ルールは、金利の変動があったとしても返済額は5年間変わらないというものだ。ただし、金利は半年に一度見直されるため、仮に金利が上がったとすると、返済額は変わらないものの、毎月返済額のうち、金利部分の負担が増え、元本の減りが遅くなる。

1.25倍ルールは、5年の間に金利が大幅に変動してしまい返済額が大幅に変動するとしても、その倍率は1.25倍までというものだ。例えば、毎月30万円の返済であれば、5年後の最大の返済額は37.5万円となる。

こちらのルールについても、返済額が抑えられるだけで金利が上がっていればその分金利分の割合が増え、元本分の返済は遅くなる。

以上を踏まえると、変動金利のメリットは「金利が下がればそのメリットを受けられる」という点だと言える。また、変動金利は金利変動のリスクがある分、固定金利より低く金利設定される点もメリットだ。

一方、デメリットとしては当たり前のことだが「金利が上昇したら返済額が増える」ことだといえるだろう。

「固定金利の特徴とメリット・デメリット」
固定金利は、10年など最初に指定した期間、金利が固定されるタイプのもので、最初の期間終了後はその時の金利でもう一度固定金利にするか、変動金利にするかを選ぶことができる。

メリットとして挙げられるのは、金利が固定されるため、仮に金利が上昇してもその影響を受けないでいられるという点だ。また、最初の固定期間中は返済額が変わらないため収支計画が立てやすい。

理想的なのは、10年など最初に指定した固定期間中はいつでも完済できるだけの資金を用意しておくことだ。仮に金利が上がっても、固定期間中に完済してしまえば金利上昇リスクを完全に無視することができる。

一方のデメリットは、金利が下がっても返済額が下がらないこと、そして変動金利よりも設定金利が高くなっていることだ。

■低金利でまわすための4つの方法

不動産投資ではできるだけ低い金利でローンを借りることが大切だが、実際のところそう簡単に低い金利で融資を受けることはできない。

ここでは、低金利でまわすための方法として4つの方法をご紹介しよう。

1.不動産会社の提携ローンを利用しよう

物件を取得する不動産会社によっては、金融機関と提携していたり、低金利で契約する方法を熟知していたりして、「その不動産会社だから低金利で融資を受けられる」ことがある。

利用する不動産会社に、提携銀行があるかどうか、低金利で融資を受けられたことはあるか等を確認するとよいだろう。

2.固定金利より変動金利を選ぶ

ローンの金利タイプにはそれぞれメリット・デメリットがあることをお伝えしたが、変動するリスクがある分、最初の金利設定は変動金利のほうが低い。

金利変動リスクに備える必要はあるが、少しでも低金利で利用したいのであれば変動金利を選ぼう。

3.日本政策金融公庫の利用を検討してみる

審査次第ではあるが、日本政策金融公庫のローンは金利が1%台と安く、さらに固定金利で利用できるというメリットがある。

最長で20年までしか借りられず、また投資目的ではなく事業のための融資である必要があるが、利用を検討してみるとよいだろう。

4.返済実績をつくる

ローン審査時、金融機関は「この人はお金を返済できるか」を見て審査を行う。

そのため、不動産投資において最初の1棟目の取得の際、低い金利を勝ち取ることが難しいのだが、逆に返済実績があれば借入後、金利交渉が可能になることもある。

借入してから5年、10年たっているような場合には金融機関の担当者に交渉可能かどうか尋ねてみるとよいだろう。

■不動産投資の金利に関する注意点

最後に、不動産投資でローンを利用する際に気をつけておきたい金利に関する注意点をお伝えする。

・高い金利で利用すると次の融資が受けられない可能性がある

不動産投資のローンにもさまざまなものがあり、例えばノンバンクと呼ばれる金融機関の中には審査の承認を得られやすい代わりに金利が4%台などといった場合もある。

不動産投資では0.1%でも低い金利で借りることが大切だが、実際のところ「そもそも融資を受けられない」ということも少なくない。これは、借りる人の属性や年収の問題であることもあれば、物件の収益性の問題であることもあるだろう。

なんとか審査の承認を得られた金融機関が先述のような金利4%のノンバンクであるような場合には注意が必要だ。

まず、金利が高いと毎月の返済が大変で、少し空室が出ただけで赤字になってしまう可能性がある。

また、審査時には「収入の何割を返済に充てているか」という返済負担率が見られるため、1棟目を高い金利で借りてしまうと、次の物件を取得しようとしたときに返済負担率オーバーで融資を受けられなくなる可能性がある。

最初の融資承認を得られるのは大変であることを前提に、少なくとも地方銀行や第二地方銀行、信用金庫などで借りられるよう属性や年収、物件、金融機関を変えながら粘り強く活動を行っていこう。

・キャッシュフローを意識しよう

「高い金利で借りてはいけない」ということと同意だが、不動産投資の金利ではできるだけ低い金利で借り、できるだけ豊富に資金が手元に残るよう、キャッシュフローを意識することが大切である。

手元にお金がないと、突発的なトラブルなどで急な出費が生じた際に、最悪の場合は物件を手放さなければならないからだ。

なお、ローンに関して手元に残る資金を大きくする方法としては、金利を低くする以外にも借入期間をできるだけ長くする方法や、借入額をできるだけ少なくする方法が考えられる。

ローン借入時には、金利と同様によく検討するようにしよう。

■まとめ

不動産投資に関する金利について、金利タイプごとのメリット・デメリットや低金利でまわす方法、金利に関する注意点などお伝えした。

不動産投資では低金利を獲得することでキャッシュフローを改善することができ、ひいては投資全体のパフォーマンスを高めることができる。

今回紹介した低金利でまわす方法を活用して、可能な限り低金利で借りられるようにしよう。

【このコラムの著者】

逆瀬川 勇造

■保有資格
宅地建物取引士
2級FP技能士(AFP)

■主なキャリア
地方銀行にてリテール業務に従事後、不動産部門のある注文住宅会社にて新築住宅、不動産売買業務に携わる。
金融知識を活かした住宅ローン提案、綿密なヒアリングからのライフプランニング、
税金や相続のアドバイスから税理士への橋渡しなど、新築住宅、不動産売買にまつわる金銭問題の解決を得意とする。

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