逆瀬川 勇造の不動産投資コラム

シリーズ連載: 不動産投資を始める人のノウハウ

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

不動産投資はキャッシュフローの改善が大切!計算法や改善策を解説

不動産投資において、現金の流れを把握しておくことは極めて重要だ。
必要な時に必要なお金を用意できるようにしておくためにも、キャッシュフローの改善が必要になる。
今回は、キャッシュフローを求める計算方法や、具体的な改善策について詳しく紹介していく。

■キャッシュフローとは?

最初に、キャッシュフローとは何かについて解説しておきたい。

・「キャッシュフロー」=「現金の流れ」

キャッシュフローとは現金の流れを意味する言葉で、現金収入と現金支出、そして手元の残金がどのくらいあるかを把握することを指す。キャッシュフローはビジネス全般でよく用いられる言葉だ。

ビジネスにおいては、商品の取引時にはお金の動きはなく、決められた期日にお金をやり取りする掛け取引とすることが多い。

期日までにお金を用意しないといけないことや、設定した期日の直後は多額の支払いで一時的に現金の残額が少なくなり、銀行への返済などが滞ってしまうと最悪倒産(いわゆる黒字倒産)になる可能性もあることから、キャッシュフローを把握することは非常に重要なのだ。

これは不動産投資においても同じことが言える。不動産投資においても毎月銀行への返済があり、まとまった額の税金の支払いもあるからだ。場合によっては、突発的な事故により修繕費用が必要になることもあるだろう。

修繕費用を捻出できないために入居者が退去し、また修繕するまで次の入居者を見つけられないとなれば、その機会損失の影響は大きい。

・不動産投資におけるキャッシュフロー

前述のキャッシュフローは、主に物件取得後にローン返済や税金の支払いが滞らないように把握しておくべきものだが、不動産投資においては物件取得前に対象の物件を取得するかどうかを判断するためにキャッシュフローを求めるケースもある。

後者の場合、単純に家賃収入からローン返済額(求められる場合は各種経費も)を差し引いてキャッシュフローを求めることもある。

■不動産投資におけるキャッシュフローをもとめる計算式

不動産投資におけるキャッシュフローをもとめる計算式は、以下の通りだ。

キャッシュフロー = 家賃収入 - (ローン返済+各種経費+所得税・住民税)

なお、先述の物件取得前に求めるキャッシュフローの計算式は以下の通り。

キャッシュフロー = 家賃収入-ローン返済

もしくは、以下のようになる。

キャッシュフロー=家賃収入-(ローン返済+各種経費)

それぞれの要素について、詳しく見ていこう。

・家賃収入

不動産から得られる家賃の総額のことで、物件取得後であれば実際の空室状況と設定家賃から求めることができる。
物件取得前であれば、売主から提示されるレントロールで計算すればよい。

・ローン返済

物件取得後であれば定められた返済額を、物件取得前であれば金利と借入額から返済額を算出すればよい。

・各種経費

管理費用や清掃費用、修繕費用、固定資産税などが挙げられる。ただし、これらを正確に算出することは難しいため概算で求める。

すでに経営実績があれば過去の数値を元に、なければ不動産会社の担当者からアドバイスを求めるとよいだろう。

・所得税・住民税

所得税・住民税を求めるには、以下の不動産所得に関する計算式を覚えておくとよい。

不動産所得 = 家賃収入 - (各種経費+借入金利子+減価償却費)

家賃収入、各種経費については前述の通り。また、ローン返済については、不動産所得ではローン返済額すべてではなく借入金利子にあたる部分だけが経費にできる。

減価償却費は取得した不動産の建物部分について、耐用年数に応じて経費に算入できるものだ。

不動産所得については、給与所得など他の所得と足し合わせた所得額ごとに税率が定められており、所得額が大きくなるほど税負担も大きくなる。

国税庁のサイト(所得税の税率)などを参考に、簡単に税額を求めておくとよいだろう。

■キャッシュフローを改善する方法は?

キャッシュフローの計算式を覚えたら、キャッシュフローを改善する方法はおのずと見えてくる。ここでは、以下の3つについて解説する。

1.空室率を改善する

まず、空室率を改善すれば収益が上昇し、キャッシュフローがよくなる。
ただし、空室率を改善するために物件の修繕等費用を伴うことをするのであれば、その費用と空室率改善による収益向上のバランスについて慎重に検討すべきだろう。

2.ローンの金利、借入期間、借入額を改善する

また、ローンの返済額を減らすことができれば現金の支出を抑えられ、毎月のキャッシュフローが改善する。ローンの金利はできるだけ低く、借入期間はできるだけ長く、借入額はできるだけ少なくすることを目指そう。

3.経費をできるだけ安くする

各種経費をできるだけ安くするようにするのも、キャッシュフロー改善に欠かせないことだ。

例えば、エアコンの取り換えをするような場合は1室だけでなく複数室、もしくは複数戸所有しているようであれば複数戸同時に発注することで、経費を安く済ませることができるだろう。

■まとめ

今回は、不動産投資におけるキャッシュフローについて、その内容や計算式、改善策をお伝えした。

今回紹介した改善策以外にもキャッシュフロー改善のための方法は考えられるが、本記事でご紹介したものを見ても分かるように、キャッシュフローを向上させることは「うまく賃貸経営すること」とも言い換えられるものばかりだ。

常に「よい方法はないか」を考え、改善を繰り返していくことが大切である。

【このコラムの著者】

逆瀬川 勇造

■保有資格
宅地建物取引士
2級FP技能士(AFP)

■主なキャリア
地方銀行にてリテール業務に従事後、不動産部門のある注文住宅会社にて新築住宅、不動産売買業務に携わる。
金融知識を活かした住宅ローン提案、綿密なヒアリングからのライフプランニング、
税金や相続のアドバイスから税理士への橋渡しなど、新築住宅、不動産売買にまつわる金銭問題の解決を得意とする。

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