逆瀬川 勇造の不動産投資コラム

シリーズ連載: 不動産投資を始める人のノウハウ

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

不動産投資と年収-低年収でも融資承認を得られる方法とは?

不動産投資では、金融機関から融資を受けて物件を取得するのが一般的だ。

融資の際には、申込人の年収も評価されるが、不動産投資の場合、取得する物件の収益も加味されることがあり、やり方によっては低年収でも融資を受けることが可能である。

本記事では、年収ごとにおすすめの投資物件の種類を紹介すると共に、低年収でも融資承認を得やすい方法についてお伝えする。

■年収別不動産投資手法

ここでは、年収300万円台、400万円台、500万円台、700万円台のそれぞれの年収に適した不動産投資の手法をご紹介する。

・年収300万円台

不動産投資のローンには、金融機関によっては年収500万円以上や700万円以上といった条件が設けられることがあり、そうしたローンを利用することはできない。
そのため年収300万円台の人は、そうした条件が設けられることの少ない地方銀行や信用金庫といった地元の金融機関を探してみるとよいだろう。

総支給額が年収300万円台の方の手取り額は、おおよそ250万円~300万円程が想定される。賞与が含まれていることを考えると、毎月の手取り額は10万円台後半から20万円台前半となる。

生活費や子どもの教育費のことを踏まえると、毎月貯蓄に回せる額は5~10万円が上限だろう。
物件取得時には物件価格の1割程度の自己資金が金融機関から求められることが多いのに加え、登記費用や仲介手数料などでさらに1割程度必要のため、合計で2割あるとよいだろう。

物件取得価格の2割程度を自己資金として支払うことを想定すると、物件価格3,000万円で600万円の貯蓄、貯めるまでに最低5年程度はかかる計算だ。

もちろん、それまでに貯めたお金があればそれを自己資金に充ててもよいが、年収300万円台の人は、物件価格3,000万円以下の地方の小規模アパートや中古区分マンションが投資対象となるだろう。

・年収400万円台

年収400万円台の人も、主に地方銀行や信用金庫での融資を考える必要がある。

総支給額が年収400万円台の方の手取り額は、おおよそ320万円~390万円程。賞与が含まれていることを考えると、毎月の手取り額は20万円~25万円程度だ。

毎月貯蓄に回せる額の上限が10万円~15万円だとすると、3,000万円の2割、600万円の自己資金を貯めるのには最短で3年半程だ。

年収400万円台の人がこれから自己資金を貯めて物件を購入しようとするのであれば、物件価格3,000~5,000万円程度の中古アパートや中古区分マンションがメインのターゲットとなるだろう。

・年収500万円台

年収500万円台になると、勤務先が上場企業である場合等には都市銀行等で融資を受けることも可能になる。

総支給額が年収500万円台の方の手取り額は、おおよそ400万円~460万円程。賞与が含まれていることを考えると、毎月の手取り額は25万円~30万円程になるだろう。

毎月15~20万円程度貯蓄に回せるのであれば、物件価格6,000万円の自己資金分1,200万円を貯めるのも最短5年程度で可能だ。
そのため、年収500万円台であれば、物件価格5,000~6,000万円程度までの中古アパートや中古区分マンションの他、新築区分マンションを検討してもよいだろう。

・年収700万円台

年収700万円台であれば、年収500万円台より多くの金融期間での融資を期待できるだろう。

総支給額が年収700万円台の方の手取り額はおおよそ530万円~600万円程になるだろう。
毎月20〜25万円程度貯蓄に回せるのであれば、1億円程度の物件を取得するのに必要な自己資金を10年弱で貯めることは可能だろう。
そのため、1億円程度の都市部アパートや郊外の比較的大きなアパート、複数戸の区分マンション保有を目指すことができる。

■金融機関の審査で見られる属性とは?

年収ごとのターゲットについてお伝えしたが、金融機関の審査時には年収と共に属性が見られる。

・属性とは?

属性とは、個人属性のことを指し、主に勤務先の社会的立場等を指すほか、勤務先での役職や年収等も含まれる。

勤務先に関しては、主に公務員や会社員、医者などの資格者等に分けることができ、会社員でも上場企業なのかどうか等分類され、将来にわたって安定的に返済していけるかどうかが判断される。

・属性がよい例

例えば国家公務員であれば、国が経済破綻しない限り、企業のように倒産して職を失うことはない。
これは地方公務員にもいえることであり、一般的に公務員は融資において高い評価を得やすい。

また、資格者の中でも医者や弁護士、薬剤師等は平均年収も高く、高い評価を受けやすい傾向にある。

一般の会社員でも、職種が営業職でインセンティブがある場合には年収の浮き沈みが想定されるため、懸念事項として見られることがある。

これらの評価基準については、金融機関によって異なるため、融資が通らず困っている方は自分の属性を高く評価してくれる金融機関を探していくとよいだろう。

■年収が低く自己資金もない場合の対処法

年収が低いと審査を受けられる金融機関も絞られる上、物件を取得するのに必要とされる自己資金を準備するのにも時間がかかる。

そんな中、年収も自己資金も低いという方が取り得る対処法にはどのようなものがあるのだろうか。

・日本政策金融公庫の利用を検討する

年収も自己資金も低いと、審査を受けられる金融機関の種類が限られ、結果的に高い金利でしか融資を受けられない可能性がある。

一方で、日本政策金融公庫を利用すれば、自己資金を貯める必要はあるものの、年収が低くても低い金利での融資を受けることが可能だ。

ただし、日本金融政策公庫から融資を受ける場合、不動産投資ではなく不動産賃貸業のための融資であることや、上限額が4,800万円であること、借入期間が最大20年であることに注意しよう。

・信用金庫や信用組合を利用する

信用金庫や信用組合は地域活性化のための金融機関でもある。そのため、地元の企業に勤めている人が地元の物件を取得するような場合には、年収が低い場合でも積極的に動いてくれることがあるのだ。

必ずしも年収や自己資金が○○万円ないといけない、というわけではないので、まずは地元の信用金庫や信用組合に相談してみるとよいだろう。

・自己資金はいくらくらい必要か?

先に、物件価格の2割程度を自己資金として用意しておくと安心である旨をお伝えしたが、必要な自己資金額は金融機関によって異なり、必ずしも2割必要というわけではない。

「最低限必要な額はいくらか?」と聞かれると、明確な基準はないが少なくとも200~300万円程度は必要であろう。

まず、物件を取得する際に不動産会社に支払う仲介手数料は「物件価格の3%+6万円+消費税」。3,000万円の物件で100万円を少し超える程度のお金が必要だ。こうした費用の支払いを考えると、200~300万円は必要になる。

また、300万円というと毎月5万円貯めて5年、毎月10万円貯めることができれば2年半で貯まる金額だ。融資する金融機関からしても、このくらいなら貯められるであろうと考えるし、逆に、年月かけてお金を貯められる人であるということは評価されやすい。

不動産投資を始めるのに必要な自己資金としては、明確な根拠はないものの200~300万円程度は貯めておきたい、と考えるとよいだろう。

■まとめ

年収は高いに越したことはないが、年収が低くても不動産投資で物件を取得することは不可能ではない。
自分の年収や属性を把握した上で自己資金を貯める努力をしつつ、仮にそれらが足りなくても融資してくれる金融機関がないか探していくとよいだろう。

【このコラムの著者】

逆瀬川 勇造

■保有資格
宅地建物取引士
2級FP技能士(AFP)

■主なキャリア
地方銀行にてリテール業務に従事後、不動産部門のある注文住宅会社にて新築住宅、不動産売買業務に携わる。
金融知識を活かした住宅ローン提案、綿密なヒアリングからのライフプランニング、
税金や相続のアドバイスから税理士への橋渡しなど、新築住宅、不動産売買にまつわる金銭問題の解決を得意とする。

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