前回は「支出に関するリスクとその対応策」として4つの経常支出(管理コスト、借入金の返済、保有税、所得税)があることを解説しました。今回は、不動産投資に課せられる所得税の変動についてくわしく解説します。
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個人が不動産から得る家賃などの収入(不動産所得)には税金が課せられます。不動産所得は総合課税の対象となっており、他の所得(給与など)と合算してその金額に応じて税率が決められます。必然的に所得が多ければ多いほど税率は高くなり、所得税と住民税の合計で最高50%もの税率が適用されることとなります。 したがって、物件を複数所有し、賃料収入や他の所得が増えれば増えるほど、税率も段階的にあがり、最終的には最高税率の50%が課せられることになります。最高税率の対象となる人は、物件を購入して賃料収入を得たとしても、経費を差し引いた所得の半分しか手元に残らないことになりますので、物件を多く保有する人にとって、所得税と住民税はもっとも深刻な支出となるのです。 ![]() |
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![]() ![]() 会社を設立し、会社名義で不動産を所有する![]() ![]() |
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共有で不動産を所有する![]() ![]() |
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このように不動産投資においては支出の面でも大きく変動する可能性があることにご注意ください。特に、税金については、不動産投資における経常支出の中でも非常に大きなウェイトを占めています。不動産投資は投資の単位が非常に大きくなりますので、失敗しないためにも、収入面に加えて、支出面のマネジメントが重要になってきます。今回ご説明したポイントに注意して、不動産に関する知識を習得し、専門家の知恵を借りることが成功の秘訣となるでしょう。
略歴
- 昭和44年
- 青森県出身
- 平成6年
- 公認会計士・税理士、山田淳一郎事務所(現税理士法人山田&パートナーズ)入所後、グループ会社である株式会社ユーマック(現TFP不動産コンサルティング)に出向。
おもに土地資産家に対する相続対策、底地借地の権利調整、物納、不動産投資、収用に伴う行政との交渉、買換え、土地活用、空室相談、固定資産税の軽減など、土地資産家の持つ、ありとあらゆる問題解決のコンサルティングを行う。また日本特有の借地、底地の問題に着目し、底地専門に投資する私募ファンドの組成に携わり、ファンドマネージャーの一員として1年間に13%の高配当を実現。 コンサルティング業務の傍ら、中立公正な不動産知識情報を配信するサイト「ホームナレッジ」を作成、運営し、コンテンツの内容が評価され多くのポータルサイトにコンテンツを提供する。 実務経験を生かし、FPの講師や金融機関・不動産会社などに対するコンサルティングセミナーや勉強会を数多くこなした。 平成14年同社取締役就任、平成16年8月同社退社平成16年11月ナレッジバンク株式会社を設立、代表取締役に就任
講演
りそな銀行、埼玉りそな銀行、三井住友銀行、野村證券、いちよし証券、東京海上火災保険、積水ハウス、兵庫県宅建協会、日税不動産、NPO法人日本地主家主協会 など
著書
大和證券資産管理読本、税会計法務の羅針盤(大蔵財務協会)共著、FPマニュアル96~98年(きんざい)共著 など
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