マンションを投資目的で購入したものの、実際には誰も住んでいない部屋が増えているという話を耳にしたことはありませんか。特に都心部のタワーマンションでは、購入者の多くが居住せず、投資や節税を目的として所有しているケースが目立ちます。こうした状況を改善するため、2025年1月に神戸市が「タワーマンション空室税」の導入を検討することを表明し、大きな注目を集めました。
この記事では、不動産投資を検討している方や、すでにマンション投資を行っている方に向けて、空室税とはどのようなものか、またどのような影響があるのかを解説します。
マンション投資の現状と課題
日本の都市部では、マンションを単なる住居としてではなく、資産運用の手段として活用するケースが急増しています。まずは、この傾向がもたらす問題点と、地域社会への影響について見ていきましょう。
都市部で深刻化する投資目的のマンション購入
近年、東京や大阪などの大都市圏では、タワーマンションを中心に投資目的での購入が活発化しています。特に注目すべきなのは、購入者の多様化です。国内の富裕層はもちろん、中国や東南アジアなど海外の投資家による購入も増加しています。
2024年のテレビ番組で放送された調査によると、東京都中央区の晴海地区に建設された大規模マンション群では、全体の4割以上が法人名義で所有されていることが分かっています。これらの購入者の多くは「値上がり益」を狙った転売などを目的に物件を保有しており、部屋の3割以上は住民票の転入がなく、実際には居住していないケースが少なくありません。
居住実態のない部屋がもたらす地域への影響
投資目的で購入されたマンションの空室化は、さまざまな社会問題を引き起こす要因です。ここでは特に注目すべき3つの悪影響について説明します。
空室税の仕組みと目的
居住実態のない不動産に課税することで、住宅の有効活用を促す空室税。その具体的な仕組みと、導入によって期待される効果について解説します。
空室税の基本的な仕組み
空室税は、一定期間以上居住者がいない住宅に対して、所有者に追加の税負担を求める制度です。空き家にはすでに固定資産税や都市計画税が課税されているため、二重三重に課税することになります。神戸市が検討している制度の課税対象や具体的な課税額はまだ公表されていませんが、もし導入が始まれば、空室率の高いマンションを抱える他の自治体も追随する可能性があります。なお京都市では、市街化区域内で利用されていない空き家や別荘、セカンドハウスなどを対象とした「非居住住宅利活用促進税」を令和11年度より導入する予定です。参照:非居住住宅利活用促進税について<令和11年度課税開始予定>
海外での導入事例
海外では、すでに空室税の導入事例がいくつかあります。
神戸市のねらいとは?
神戸市の久元喜造市長は「東京の晴海フラッグのような街にはしない」と明言しており、空室税によって投資目的の購入を抑制し、実需に基づいた健全な住宅市場の形成を目指しています。
一方、空室の定義や固定資産税との二重課税の問題など、解決すべき課題も少なくありません。SNS上では「家賃の値下げ競争になり、不動産の価値が下がる」といった批判の声も上がっています。
不動産投資家への影響
空室税の導入は、不動産投資のあり方を大きく変える可能性があります。ここでは、特に投資家への影響について見てみましょう。
投資戦略の見直しが必要となる理由
空室税が導入された場合、従来の「買って寝かせる」といった投資手法は通用しなくなります。
投資家には、安定した賃貸需要が見込める立地の選定や、適正な賃料設定による高い入居率の維持、物件の差別化による競争力の確保などを重視した戦略が必要となるでしょう。
賃貸経営における収支計画への影響
空室税の導入により、賃貸経営の収支計画にも大きな影響が生じます。
従来は空室率5〜10%程度を想定した事業計画が一般的でした。しかし空室税の導入後は、以下のような経営戦略の見直しが必要になると考えられます。
管理会社の選定においても、単なる管理業務の代行ではなく、高い入居率を維持できる実績やノウハウを持つ会社と連携することが重要になるでしょう。
まとめ
マンションの空室税は、投資目的による空室問題を解決し、実需に基づいた健全な住宅市場を形成するための施策です。
不動産投資家にとっては、従来の投資戦略の見直しが必要となる一方、適切な賃貸経営を行うことで安定した収益を確保する機会にもなります。そのため、今後の制度設計の動向を注視しつつ、空室リスクを最小限に抑える経営体制の構築が求められるでしょう。
空室税の導入は、単なる規制強化ではなく、持続可能な都市づくりに向けた重要な一歩となる可能性があります。今後の動向に引き続き注目していきましょう。

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